脱毛症治療薬で心臓病のリスクが低下?

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米国の大手ニュースサイトUPIにて、プロペシアやプロスカーなどに含まれる一般的な脱毛症治療薬が、コレステロール値を下げることで男性の心臓病リスクを低下させる可能性があると、新たな研究記事が掲載されていました。

参考:UPI.com
https://x.gd/eeUle

フィナステリド使用でコレステロール値も低下

フィナステリドは男性型脱毛症の治療に使用されていますが、もとは前立腺肥大症や前立腺がんの治療薬として使用されていました。
まず、このことが基本条件です。

記事によると、2009年から2016年にかけて行われた連邦健康調査で収集されたデータにフィナステリドを使用する男性はコレステロール値も大幅に低下していると言います。
調査でフィナステリドを服用する男性を調べたところ、服用していない男性よりもコレステロール値が平均30ポイント低かったと、研究員は述べました。

研究者らはその後、この発見を実験用マウスで再現しました。
高用量のフィナステリドを投与されたマウスは、コレステロール値が低下し動脈硬化が軽減。肝臓の炎症が軽減し、その他関連する健康上の利点が見られます。
研究者らは背景説明の中で、フィナステリドは毛包と前立腺に存在するテストステロンを活性化するタンパク質を阻害することで作用すると述べました。

心臓病は女性よりも男性にはるかに多いため、科学者は長い間、動脈の詰まりにテストステロンが重要な役割を果たしているのではないかと疑っていたと言います。研究者らはまず、国民健康栄養調査のデータを分析しました。
調査結果ではフィナステリドとコレステロール低下との関連を示唆したが、約4,800人の調査回答者のうちフィナステリドを使用していると報告したのはわずか155人でした。
しかし、むしろ観察の結果、人間でこの現象が見られたので、次はマウスで何が起こるか見ようという結論に至ったと言います。

マウスで効果があった容量は人間には法外な量

そこで研究者たちは、高脂肪、高コレステロールの「西洋型」食を3か月間与えた雄の実験用マウスへ、さまざまな濃度のフィナステリドを投与。
フィナステリドを大量に投与されたマウスは、血漿内と動脈内のコレステロール値が低下し、肝臓内の脂質と炎症マーカーも減少しました。

しかし、マウスに対する効果はフィナステリドの最高用量でのみ顕著であり、その用量は人間にとってはあまりに量が多すぎるものでした。

人間の脱毛症の治療には1日1ミリグラムのフィナステリドを、前立腺肥大症の治療には1日5ミリグラムのフィナステリドを摂取するのが一般的。
これをもとに比較すると、顕著な効果がみられたマウスは、摂取した食物1キログラムあたり1,000ミリグラムを摂取していたことになります。
しかし、脱毛症や前立腺肥大症の治療に推奨されている用量を摂取した男性に明らかなパターンが見られたという事実は、マウスでテストされたような大量投与は人間には必要ないことを示唆していると言います。

研究者らは、次のステップは医師がフィナステリド患者のコレステロールを追跡すること、あるいは潜在的な利点を直接テストする臨床試験を実施することであると述べています。

副次的な産物としての有用性

記事中に登場するフィナステリドとは、我々のような薄毛の悩みを知る者たちにとっては発毛薬のプロペシア等でお馴染みです。
プロペシアはメルク社が製薬している発毛薬ですが、プロスカーとは同社が製薬する前立腺肥大症治療薬のことです。
プロペシアもプロスカーも主要成分は同じフィナステリドで、違いとしては、プロペシア類が有効成分のフィナステリドを1mg含有しており、対してプロスカーは5mg含有となっています。

参考:厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/kojinyunyu/050609-1a.html

医薬品の服用による薄毛治療で、同時に心臓病のリスクが低下するかもしれないとは興味深い情報です。
とは言え、人体では同じ効果を期待するには、非常識なほど大量に摂取しなければならないかもしれませんので、さほど期待できないかもしれませんが。
これから研究が進み、疾病のリスクを低減できる手段として確立されることを願うばかりです。

発毛薬としてのフィナステリド

そんなフィナステリドですが、私が梅田の親和クリニック大阪院でAGA(男性型脱毛症)による脱毛症状改善のための自毛植毛を受けた直後は服用しておりました。
発毛サイクルの性質上、服用から効果が顕著になるまでは半年ほどかかりました。自毛植毛時は残っていた元々の頭髪も元気を取り戻し、脱毛することなく健康なヘアサイクルを取り戻せました。その後、服用薬の種類をデュタステリドに変更しました。ちなみに親和クリニック大阪院ではどちらも処方しています。

親和クリニック 投薬による薄毛(AGA)治療の費用・料金
https://shinwa-clinic.jp/price/medicine/

自毛植毛か投薬か

AGAに起因する薄毛化は、一般的な育毛ケアや「髪に効く」などの医薬部外品を使った処置などの手立が間に合わないほどのの勢いで進行します。
放っておくと生え際はどんどん後退していき、頭頂部の髪がなくなってしまいます。
そんな状態を良しと思わない人は、一専門医のもとへカウンセリングに赴くべきです。
対処法としては主に2種類あります。この記事で述べている発毛薬を使用するのがひとつ。
そしてもうひとつが、よりアクティブにAGAへ対抗する自毛植毛です。

自毛植毛は、AGAの影響を受けない後頭部の毛包(株)をくり抜き、AGAの影響で脱毛が進みハゲてしまっている部位に移植する手術です。
AGAの影響を受ける部位に移植された毛包は、AGAの影響を受けない本来の性質を保ったまま成長を繰り返しますので、移植後は脱毛症状の悩みからは解放されます。