過度なアルコール摂取は老化を促進させる!?

新たな年を迎え、お正月に飲酒を楽しんだ方も多いのではないでしょうか。
新型コロナウィルス感染症の影響により何らかを自粛するような生活形態が長引いている現在、新年を祝う飲酒ぐらいは気軽にしたいものです。
しかし、そんな飲酒が身体の老化を促進させてしまう一因になるとの研究結果が公表されていました。

それは、国際的な週刊科学ジャーナル誌「Nature」のWebサイトにて公開された、世界有数の名門大学オックスフォード大学の研究者が発表したアルコール摂取とテロメア短縮の間に強い関連性があることを示す研究結果です。

参考:nature 分子精神医学
https://www.nature.com/articles/s41380-022-01690-9

飲酒により染色体を損傷から守る守護者が損傷

テロメアとは、染色体の末端にあるDNAの繰り返し配列のことです。
染色体を損傷から保護する役割を果たしているとされています。

この研究では、実験などのために生体試料を収集、保存するUKバイオバンクに登録した24万5,000人以上の人々を対象にテロメアの長さを評価。
日常生活におけるアルコール摂取の量や頻度が、テロメアの長さにどのように影響するかを調査しました。

テロメアの長さはアルツハイマー病やガン、冠動脈疾患など老化に関わる疾病と関連していることが分かっています。人の身体では細胞が破壊されるたび、テロメア部分の50~100個のDNA塩基を失うと言います。
テロメアが短くなりすぎると、細胞は分裂できなくなり、やがて死に至るとされています。

結論から言えば、アルコール特性と遺伝的に予測されたアルコール特性、およびテロメアの長さとの関連性が発見されました。非線形分析は、テロメアの長さに影響を与えるには、アルコール摂取量の閾値(いきち)がある可能性を示唆しました。

短縮されたテロメアは、アルツハイマー病のような多くの加齢に伴う病気の原因となる危険因子とされています。

依存レベルでのアルコール摂取は命取り!?

今回の調査結果は、依存レベルでのアルコール量を摂取する人にテロメアの短縮が観測され、現時点で断酒している人や、下戸な人には見られないとのことです。
研究者は今回の調査結果に対し、アルコールの摂りすぎがテロメアの長さに直接影響するという指摘を裏付けるものだと述べています。
摂取するアルコールの量が重要で、飲酒量を減らすだけでも改善が期待できると言います。

酒は百薬の長とは言うけれど…

簡単に言えば、アルコールの過剰摂取が身体の老化を促進させてしまうことが科学的に分かったようです。
アルコールの摂取は老化を速めてしまう可能性があることは以前より言われてきました。
それが、具体的にアルコールの摂取により、DNA配列(テロメア)が短くなってしまうことが判明したわけです。ある量を越えると危険性があがる閾値があるとのことですから、更なる研究を望みたいものです。

適度なアルコール摂取は人生を豊かにしてくれるものであることは間違いないでしょうが、適量というのは分かりづらいものです。WEBを検索すると厚生労働省がガイドラインを設定してくれていましたので、添付しておきます。

参考:厚生労働省 飲酒のガイドライン
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-03-003.html 

抜け毛にも影響を及ぼす?

アルコールの摂り過ぎで頭が薄くなるという噂が浸透しているようです。
しかし、現在までの研究報告を鑑みても飲酒が薄毛の原因になるということはないと考えられています。とは言え、テロメアが短くなるということは、細胞が死滅するわけですから、発見されていない影響もあるのかもしれません。
ただし、アルコールの過剰摂取は内臓や血管などを含む身体に悪影響を及ぼすことは間違いないので、薄毛化とは直接関係ないものの関節的な影響は想定されます。やはり節度を持った飲酒を心掛けたいものです。

参考:NIKKEI STYLE
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO28786590Q8A330C1000000/

AGA由来の抜け毛はアルコール関係なし

また、過剰にアルコールを摂取していないのに抜け毛が止まらないという男性は、まずAGA(男性型脱毛症)を疑ってみてください。
AGAは遺伝的な要因で脱毛症状を引き起こす疾患で、母方から連なるAGAの因子を持っている人は成人後から脱毛症状が進行し始めてもおかしくありません。

AGA由来の抜け毛に対抗するため、梅田にある親和クリニック大阪院でMIRAI法という自毛植毛を施術してもらい頭髪を取り戻しました。

AGAは発症してしまうとノンストップで頭髪を侵食していきます。
対処は早ければ早い方が効果的です。残存する毛量、治療費、そして精神的にも早い対処にこしたことはありません。

男性でまだ20-30歳代なのに薄毛が気になりだしたら、まずはAGAの発症を疑って専門医へ相談してみてください。
悩みつつ見ないふりをしていても、何ら解決に至らないどころか状況は悪化するばかりです。