理化学研究所の毛包器官再生医療が進展!

理化学研究所とオーガンテクノロジーズ、京セラが共同で毛包器官再生医療について、
新たな進展が発表されたので報告します。

理化学研究所
http://www.riken.jp/pr/topics/2018/20180604_1/

簡単に概要を解説すると、頭髪を作り出す器官である”毛包”を人体から取り出し、
それを培養する技術を確立したとのことです。
ひとつの毛包を、独自の技術によって複数に増やすことができるということです。
実験で使用したヌードマウスからは毛髪が生えており、その有効性が確認されたそうです。
2018年7月からは臨床試験へ向けた、動物を使ったさらなる有効性や毒性の試験が行われるということです。

この話題は、辛坊治郎氏が司会を務める関西テレビの番組「ウェークアップぷらす」でも取り上げられ、より詳しく解説されていたので、そこからも情報を抜粋してみます。

人体から採取した毛包から、毛乳頭細胞、上皮性幹細胞、色素性幹細胞の3つの細胞を採取し、それぞれを100倍ほどに培養し、この3種類を合わせて、頭髪の種ともなる毛幹を作り出します。
そして作られた毛幹にナイロン製の糸を挿し込み、髪の毛の生えてくる方向を決定、毛幹から髪の毛が生えてくるにしたがいナイロンの糸は押し出され、髪の毛が生えた状態の毛幹が完成するのだとか。ひとつの毛包から、100個ちかくの毛幹を作り出すことができるのだそうです。
この培養した毛幹から生えてくる髪の毛は、抜けたとしても次から新しい髪の毛が生えてきます。つまりそれで実験が頭髪を生やすシステムが移植されたことが証明されたというわけです。

同番組では理化学研究所の辻チームリーダーへのインタビューも行なっていました。
辻氏の言をまとめると、細くなることがない後頭部の髪の毛から幹細胞を採り出し培養させると、そこから毛が生えてくるとのこと。
従来の自毛植毛手術だと広範囲にわたって複数の毛包を採り出す必要があったが、今回の技術では1cm四方の頭皮を切り出すだけでOK。
1cm四方の頭皮から採取できる毛包はおよそ100個で、これを培養することで1万本以上の毛幹を作り上げることができる画期的なものです。
従来の移植手術に比べ、患者への負担が軽いことと、培養することで毛髪の数自体を増やすことができることがメリットです。
実用化は、2020年を開発者の目標としているそうです。
現在は、男性の壮年型脱毛症の治療のみが対象となっています。

基本的に、自毛植毛手術と行なうことは同じですが、採取する毛包(毛幹)の数が少なくて済み、なおかつそれを培養することで毛幹自体を増やすことができるということです。
現状では採取した数と移植する数が同数であるというのが絶対条件であり、採取する後頭部の頭髪が少ない場合は、頭頂部など気になる部分への移植数も少なくなってしまうということに繋がっています。
しかし、採取した細胞を培養することで、その制限が限りなく少なく済むというのが利点です。

気になるお値段なのですが、現在のところは細胞1種類で1500万円ほどだとか。
この培養には3種類の細胞が必要なため、合計すると単純に4500万円。

この金額では、実際に行なえる人は限られます。
私にはとてもじゃないですが無理です...

この値段ですが、現状では「実用化に向けて下がるのかな?」と辻氏はおっしゃっているらしいですが、気になるのはどこまで下がるかですね。

2018年内は動物での試験が行なわれつつ審議され、2019年には大学病院での臨床試験。これは半年から1年ほどの期間だそうです。
そして厚生労働省の承認を得られれば、2020年の最短で春には実用化の運びになるではと言われています。

実用化はもちろんですが、お値段の方も気になります。進捗があり次第、こちらでも追って報告したいと思います。