国内の大手製菓メーカー｢ロッテ｣が、ガムを噛むことにより頭皮血流が増加することを確認した研究結果を発表。その記事がForbes JAPANに掲載されていました。

参考：Forbes JAPAN
https://forbesjapan.com/articles/detail/51588

物を咀嚼することで頭皮血流が増加

ロッテでは以前より、ガムの咀嚼習慣が多い人のほうが、頭頂部毛髪径が優位に太いという研究結果を得ていましたが、明確な因果関係については証明されていなかったと言います。
しかし今回の検証において、ガムを咀嚼することで頭皮血流が増加することが確認できたと発表しました。
検証では、25～53歳の健常な男女20名に対して、ガムを咀嚼することで頭皮血流へどう影響しているのかを測定。
前頭部と頭頂部の頭皮血流をガム咀嚼時と無咀嚼時に分けて調べた結果、いずれも頭皮血流が増加することが確認されたと発表しています。

育毛のための栄養を運ぶ毛細血管

頭皮下には毛細血管が張り巡らされていて、その毛細血管を血液が流れることで頭髪を産み出す元となる毛包へ栄養を送り届けています。
頭髪も他の人体器官と同様に、栄養が無ければ健康状態を維持することはできません。
頭皮下にある毛細血管も血流が滞ってしまうと、毛包は栄養不足となり新たな頭髪を産生できなくなってしまいます。
一般的に齢を重ねるごとに血流は悪くなっていくと言われています。これは、加齢に伴い血管も老化するためだなのだと言います。
そして老化した血管は血流が詰まりやすくなり、抜け毛の増加だけではなく様々な身体機能の低下や疾病を引き起こしてしまう可能性もあります。

参考：東京医科大学病院
https://hospinfo.tokyo-med.ac.jp/info/data/lecture_134.pdf

筋肉を動かすことが血流改善につながる？

体内では、血液を循環させることによって全身の細胞に酸素と栄養が運ばれています。
血流が滞ると、酸素と栄養が十分に行きわたらないため身体に悪影響が及ぼされます。
血流悪化が頭皮下の毛細血管であった場合、頭髪の産生が滞ってしまい薄毛につながるというわけです。

正常な血流を維持するためには、こまめな水分補給や身体を締め付けるような衣服を着用しないこと、そして適度な運動が効果的だとされています。
上記の記事にあるガムを咀嚼するという行為は、顎を運動させることと言い換えることができます。
それにより頭皮下の血管が滞ることなく血液を流し、毛包に血液(栄養)が行きわたり正常なヘアサイクルが維持されるという構図が想像されます。

抜け毛や薄毛の原因によっては望み薄

血流改善は抜け毛や薄毛の予防に効果的なのかもしれませんが、それは加齢や生活習慣の変化などに起因するケースだけだと思われます。
抜け毛や薄毛の原因がAGA(男性型脱毛症)である場合、血流改善だけでは進行を食い止めることは不可能です。脱毛症状の根本原因が血流の停滞などではなく特定の男性ホルモンの産生とされているからです。

AGAは、思春期以降に額の生え際や頭頂部の髪が薄くなる症状を指します。
その主な原因と考えられているのが、男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロン(DHT)です。
健康な身体を維持するために人体で分泌されるステロイドホルモンであるテストステロンが、酵素の一種である5αリダクターゼの働きによって代謝されるのがDHTです。
DHTは毛髪を生み出す毛母細胞を萎縮させる指令をだす男性ホルモンであるので、薄毛が促進してしまうというわけです。

５αリダクターゼにはⅠ型とⅡ型があり、頭皮ではⅠ型が皮脂腺に、Ⅱ型が前頭部や頭頂部の毛乳頭細胞にそれぞれ多く存在しています。
テストステロン自体には薄毛を引き起こす作用はなく、DHTに代謝されることで初めて薄毛や性欲減退を促す作用が出ると言われています。
このDHTの存在により頭髪の成長期が短くなるため、髪の毛は十分に育たないままに細くて短いうちに抜け落ちてしまうのです。これがAGA由来の薄毛のメカニズムと言われています。
そして5αリダクターゼの分泌量には遺伝的要素が関係してくるとされています。
つまり、AGAの発症は加齢によるものではなく持って生まれた要素であると言えます。

生活習慣を改善して身体の健康を維持することはとても大事なことです。
しかし、AGA由来の抜け毛や薄毛に関しては、改善を望むのなら専門医への相談が最適解だろうと私は考えます。
20歳代前半から悩み続けた生え際から頭頂部にかけての脱毛症状を、梅田の親和クリニック大阪院での自毛植毛手術にて改善しました。
現在、薄毛にお悩みの方、とくに20・30歳代の若年層であるにもかかわらず薄毛症状が進行している方で髪をあきらめたくないのであれば、早めの対処が将来を左右します。
AGAは進行性です。一刻も早く専門医へ相談してみてください。