頭皮にふりかける増毛剤でMRIが故障!?

一部では「大人のふりかけ」とも揶揄される、頭部にふりかけるタイプの増毛剤、いわゆる増毛パウダーが原因で、体の断層画像を撮影する装置のMRIが故障してしまう事例が発生したようです。
MRIは構造上、強い磁場と電波を利用し画像を得ます。そのためX線を使用するCTとは異なり放射線による被ばくがなく、小児や健常な方でも安心して検査を受けることができるのです。
ここで問題になるのが強い磁場。撮影時に磁場を発生させると、増毛パウダーに含まれる
鉄粉が巻き上がってしまい、そのまま機器に付着。故障の原因となってしまうというのです。

復旧には数日かかり、そのために莫大な費用を要してしまうというのです。一説では数百万円ともいわれています。
これらの事例が実際に存在するということは、とあるクリニックに貼られていた注意書の画像がツイッターで出回ったことで問題が大きくなりました。
ふりかけタイプの増毛剤といえば、代表的な商品はルアン株式会社が販売している「スーパーミリオンヘアー」が有名ですが、
この件を受けて同社は、ホームページ上でお知らせを掲載しました。

ルアン株式会社(ページ中段のお知らせにて)
https://www.ruan.co.jp/%E3%82%B9%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%9F%E3%83%AA%E3%82%AA%E3%83%B3%E3%83%98%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%81%8Cmri%E3%81%AB%E5%8F%8A%E3%81%BC%E3%81%99%E5%BD%B1%E9%9F%BF%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84/

お知らせによれば、同社のスーパーミリオンヘアーおよびスーパーミリオンヘアーEXは磁気を帯びるものではないそうです。
主成分となるのは植物系繊維(レーヨン)で、これは金属ではないとのことです。
また、配合成分の中には色素に含まれている顔料に酸化鉄を含んだものもあるそうですが、
酸化鉄は金属が酸化したものであり、酸化することで化学的には電気を流したり磁石に付くような金属の性質を失っているそうです。
これは女性が使用するファンデーションに用いられる顔料と同じものだそうです。
しかし、磁気に影響することはないが、MRIのベッドの枕に繊維が落ちる恐れがあるそうです。他の化粧品と同様に、医師の指示に従ったうえで、つけない状態で診察を受けることを推奨されています。

では、なぜ前述のような故障が引き起こされてしまったのか。本当に故障はあったのだろうか。
あったのだとしたら、それはルアンのスーパーミリオンヘアーではなく、違う商品なのではなかったのか。
増毛パウダーといえばスーパーミリオンヘアーという、ある種の世間的な認知度の高さが災いしてしまったのかもしれないし、もしくは本当にスーパーミリオンヘアー利用者がMRI撮影時に磁気ではなく何らかの理由で繊維が舞ってしまい故障へと繋がったのか。
疑問は尽きませんが、いずれにせよ、どのような診療行為においても、医師の指示にきちんと従うことが重要なのは間違いないです。

私は薄毛対策として増毛パウダーについて認知はしていましたが、興味を持つことはありませんでした。そのため最終的に親和クリニック大阪院での植毛(自毛植毛)に至ったわけですが、薄毛対策として、増毛パウダー利用されている人もいます。
本人が望んで検診でMRIを利用する場合は事前に患者から申告できますが、
例えば事故など、何らかの理由で緊急性が増している状況では、申告できない場合もあるでしょう。そんな時のことを考えると…。自分の使用しているパウダーがMRI等でトラブルにならないか確認をしておきたいところです。