銅ペプチドが発毛にも有効!?

Bison herd with calves in Lamar Valley;
Neal Herbert;
May 2015;
Catalog #20103d;
Original #ndh-yell-7215

以前もお伝えした身体に良いと言われているペプチドですが、そのなかでも銅ペプチドがAGA(男性型脱毛症)に対して有効性が認められるかもしれないという研究結果を海外のサイトにて発見しました。

参考:アメリカ国立医学図書館 国立衛生研究所
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4969472/

この研究発表は

「発毛に対する5-アミノレブリン酸とグリシル-ヒスチジル-リジンペプチドの複合体の有効性」というもので、グリシル-ヒスチジル-リジンペプチドが銅ペプチド(GHK-Cu)のことを示します。
まずは、ペプチドについて解説しましょう。ペプチドとは、アミノ酸がペプチド結合により、短い鎖状に2個以上つながった分子の総称です。

参考:東邦大学
https://www.toho-u.ac.jp/sci/chem/column/amino_acids/amino_acids_3.html

アミノ酸とは、アミノ基とカルボキシ基の両方の官能基を持つ有機化合物の総称です。
動物が経口摂取したたんぱく質は胃や腸で分解され、アミノ酸などのかたちになり消化吸収されます。アミノ酸は肝臓に集められ全身に運ばれ、遺伝子の情報に基づいて神経伝達物質やホルモンなどに作り変えられて身体を維持するための素となるのです。

動物が体内で合成できないアミノ酸を必須アミノ酸と呼び、ヒトでは9種類のアミノ酸は、食事により摂取しなければならないというのです。

参考:日本理化学薬品株式会社
https://www.nipponrika.co.jp/amino/detail01/

複数個のアミノ酸が結合された状態のものがペプチドと呼ばれ、そのなかのひとつが今回とりあげた銅ペプチドです。

銅ペプチドとは、トリペプチド-1銅という成分の一般的な呼称です。銅ペプチドにはヘアサイクルの成長期を延長させる作用もあるのだそうです。

銅ペプチドはAGAに有効なのか?

銅ペプチドは傷の治癒や皮膚修復を促すとされおり、一般的には化粧品に配合されています。上記の研究では、その銅ペプチドと5-アミノレブリン酸との結合体の、男性型脱毛症患者の発毛に対する有効性と安全性を調査しました。

発表の内容によると、成長因子として、トリペプチド-銅複合体は頭髪の成長に影響を与えることが知られていて、皮膚線維芽細胞の増殖を刺激し、血管内皮増殖因子の産生を増加させるそうです。

調査は対象者を3グループに分け、6か月の期間で行われました。

グループAは使用するペプチド複合体の濃度が高め。グループBは半分の濃度。グループCはプラセボです。プラセボとは有効成分を含まない、治療効果の認められない薬のことです。

毛髪数の増加はグループBが最も高く、次いでグループA、最も低いのがグループCになりました。多く与えればいいというものではないのでしょうか。

その反面、満足度の割合は、グループAが最も高かったそうです。この6か月において、3つのグループ間で髪の長さと髪の太さに統計的に有意な差は認められず、すべてのグループで有害事象は無かったそうです。

まとめ

この結果から、この研究は「5-ALAと銅ペプチドの複合体がAGAの治療のための補完的な薬剤のひとつ見なされるかもしれない」ことを示しました。

医学的には認められていない段階の結果ではありますが、これはAGAに悩む者にとっては朗報です。この研究が現在、どのような形になっているのかは未確認なのですが、どのような形にせよ医薬品などとして発表されることを願うばかりです。