聴くだけで病気が治るMP3!? 代替医療について

サウンドトラックを聴くだけで、下痢や頭痛、薄毛にインフルエンザ、さらにエボラ出血熱の症状にまで効果があるという
MP3形式の音声ファイルがアメリカで話題になっているそうです。

TOCANA
http://tocana.jp/2018/05/post_17041_entry.html

記事によれば、アメリカの医師ビル・グレイ氏が、自身のウェブサイトにて頭痛や発熱、インフルエンザなどに効果があるとする
23種類の音声ファイルを1本5ドルで販売しているそうです。
13秒ほどのサウンドトラックで、症状別に所定のスケジュールに従って聴くだけで
様々な体調不良や感染症に対応できるのだとか。
「ホメオパシー」を専門とする医師で、この音声ファイルはホメオパシーの考え方に基づき氏が独自に作成した「レメディ」代わりの音声ファイルだそうです。

ここで、「ホメオパシー」について説明します。
ホメオパシーとは、代替医療の一つで、18世紀末から19世紀初期にかけ、ザムエル・ハーネマンが唱えた民間療法、臨床医学観です。
欧米の医学界では公的な承認を受けたことはないが人々の間で根強い人気があり、先進諸国では現代医学に対して懐疑的な層が、また後進国では貧困層を中心に十分な科学・医学知識および医療機会を持たない層が利用しているそうです。
その理論を簡単にまとめると、ある症状をひき起こすであろう物質を、その症状を持つ患者にごく僅か与えることで体の抵抗力を引き出し、症状を軽減するというもの。
その病気や症状を起こしうる成分や薬など使い、その病気や症状を治すことができるのだそうです。
治療方法は、極度に希釈したその成分を投与することで、
方法は複数あるそうですが、一般的には「レメディ」という球形の錠剤を飲むこと。
この「レメディ」は様々な物質を一定の方法により水での希釈を繰り返したものを砂糖玉に染みこませたものだそうです。
ホメオパシーの理論では、物質のパターンが水に記憶されるため治療効果があるとされているとか。
正統派医師の多くの研究結果では、プラセボ(偽薬)効果以上の効果はないとされ、その代替医療性は否定されています。

また、レメディそのものは医学的見地によれば「ただの砂糖玉」でしかなく、
そのものには害は無い。しかし、ホメオパシーを用いることで、より適切な医療行為を受けないことを招くことにもつながる可能性があり、
ホメオパシーをまともな医療の代替行為とすることで、適切な医療を受ける機会が失われることこそが問題であると医師らから見なされているそうです。

先のMP3音声ファイルは、このレメディを音声に置き換えているそうで、
症状別の「波動」や「パターン」が溶け込んでいるのだとか。
とたんにウサンくさくなってまいりました。

ともあれ、このMP3音声ファイル、そしてホメオパシーがどうこうというわけではないのですが、代替医療を信奉するあまりに、適切な医療行為を受けることなく症状を悪化させてしまうというのは、とても悲しいことです。

私が長年にわたって悩まされ続けてきたAGAについても同様です。
はっきりいって、AGAで生命を奪われるということはありません。

しかし、薄毛の悩みというものは精神的なストレスに繋がってしまいます。
それが若い世代ならなおさらです。周囲の視線、「いじり」と表現される心ない言葉、自信の喪失。それら薄毛の悩みを解消しようと、育毛系のトニックやグッズなどを使用しようしたり、出どころの分からないサプリメントを服用したり。
そうしているうちに、薄毛はどんどん進行して…。などということもあり得ます。
薄毛の場合は、根本原因の確定、そして進行を食い止めるための適切な処置などを、専門家である医師に相談するのが大切です。
私の場合はAGAでしたので、そこからは余計なことをせず、そのときの自分にとって一番良いであろう処置、すなわち植毛、つまり自毛植毛手術を、親和クリニック大阪院で行ないました。

いまさらですが、薄毛を食い止めるための代替行為に時間やお金をかけていたことは、機会損失であったのだなぁと思います。
それはあくまで私の個人的なもので、人によっては必ずしもそうではないのでしょうが。

AGAを始めとする薄毛の解消を謳った医療行為やアイテム類は数多くありますが、
皆さんも代替行為を信じすぎるあまり機会損失してしまうことに、くれぐれもご注意ください。