書籍『薄毛は医療で治す』に見るAGAの別側面

20歳代前半からAGA(男性型脱毛症)による薄毛化に悩んでいた私が、自毛植毛手術を受け、その後も内服薬のデュタステリドや外用薬のハイブリッドミノキシジルを処方してもらうため、定期的にお世話になっているのが梅田の親和クリニック大阪院です。
その親和クリニックの総院長である音田正光氏と親和クリニックのドクター陣による共著『薄毛は医療で治す』。

前著『薄毛革命 「自毛主義」のすすめ』に続いて、幻冬舎より発売されたのは以前にも紹介しました。

私は最近、夜中に目が覚めてしまう症状があって、そんなときは手元にある書籍を眠くなるまで読んですごしています。
『薄毛は医療で治す』も横になりながら再読していると、最初に読んだ時とは違った見方も出てきます。

参考:親和クリニック ニュース一覧
https://shinwa-clinic.jp/about/news/#n_20210728

コンプレックスに寄り添う医療

今回、紹介したいのは『薄毛は医療で治す』の冒頭、第一章に書かれている「人生に影を落とす薄毛の悩み」という言葉です。

薄毛とは、言葉を変えるとハゲです。私も幾度となく、他者からハゲてる。ハゲとるやないか。ハゲ。などと言われてきました。

しかも私のAGAは発症時期が20歳代前半と早期で、自毛植毛により髪を取り戻す40歳代まで、ハゲに悩んできた期間は20年以上。その間、ずーっと心無い言葉やイジリにさらされてきました。
同章に書かれていますが、「総じて、薄毛であることは行動を消極的にしてしまいがち」です。
もちろん、20年もの期間をウジウジとしてきただけではありません。
しかし、ハゲは絶えず私について回る悩みのタネでした。人によっては、薄毛など気にせずに過ごす方もいます。そうなりたいとも思いましたが、やはり気になってしまいました。

書籍には、親和クリニックを訪れる患者さんは、何年もAGAによる薄毛に悩んできた方が多いと書かれています。何気ない言葉ですが、なんだか身に沁みます。

若年層にも増えている薄毛の悩み

次のページでは、親和クリニックを訪れる患者のうち、20歳代の割合は約26%、30歳代が約34%という、数値が書かれています。
若いときほど、見た目を気にしがちです。痛いほど分かります。
それにしても、20~30歳代で全体の約6割とは、そこまでの割合だとは想定外でした。40歳代で自毛植毛に踏み切った私は、思い切ったつもりでしたが、遅い部類だったわけです。衝撃の事実です。

続けて書かれていますが、日本は長寿国家です。人生百年時代に大半を薄毛やハゲで悩んでいるのはもったいない。意に介さない人にとって見れば「たかが薄毛」でしょうが、やはり当事者にとってみれば「されど薄毛」と言えます。

コロナにより薄毛の悩みも変化

新型コロナウィルス感染症の脅威により、人々の社会生活は様変わりしました。コロナ禍は薄毛の悩みやニーズにも大きな影響を及ぼしたと言います。
例えば、オンラインによる面談やリモートワークなどにおいて、薄毛を認識した人が多くいて、実際にクリニックに訪れているというのです。

確かに、画面上では顔だけがアップで表示されることがあります。そのときに、改めて自分を客観視して薄毛に気づくわけです。
21年入社の新入社員が、入社後しばらくするまで先輩社員の素顔を見たことが無い状態だったという話があります。

リモートであろうと、面と向かって人と会話するような状況である場合は、最初の数秒で第一印象が固定化されます。
口には出さなくてもハゲの人だと思われてしまうこともあります。
画面上に映る自分のアップ。それを見ているカメラの向こうにいる仕事相手。
コロナ禍により社会環境が変化したあたりから、若いビジネスマンの患者さんが増えていると記されています。

一旦収まってもまだ新型コロナウィルス感染症の影響は続いています。
そのなかで、どう自分と折り合いをつけるか。自分を納得できるか。
生き方の選択は人それぞれあります。

AGAは進行性です。AGAのハゲ禍は情け容赦なく押し寄せてきます。
どうか後悔のなきように進まれてください。

●参考文献●

薄毛は医療で治す
著者:音田 正光 中山樹一郎/滝田賢一/福島俊彦/安藤善郎/図師伸一郎
発行:幻冬舎メディアコンサルティング
発売:幻冬舎
ISBN 978-4-344-93426-9
800円+税

薄毛革命 「自毛主義」のすすめ
著者:医学博士 音田正光
発行:幻冬舎メディアコンサルティング
発売:幻冬舎
ISBN 978-4-344-99485-0
800円+税