IGF-1を調べてみました

前月の記事で八丁味噌が育毛に良いということを紹介しました。
その中で登場したIGF-1(インスリン様成長因子1)がどうにも気になったので、その調査結果をお届けします。

毛母細胞分裂にかかわるIGF-1

IGF-1は成長ホルモンによって肝臓などから分泌される成長因子の一種です。
IGF-1の主な働きは細胞の増殖や分裂を促進させたり、タンパク質の合成を促したりするというものです。

このなかで細胞を増殖させる作用は、毛髪の成長に寄与する細胞にも関わってくるのだとか。
毛根の中には毛乳頭という部位があります。これは血中の酸素や栄養素を受け取る役割を担っており、
毛乳頭が受け取った酸素や栄養素は、毛髪の元となる毛母細胞に毛細血管を通じて送り届けられます。
毛母細胞はこれら栄養素を消費して細胞分裂を繰り返し、そして毛髪へと成長するのです。
毛母細胞が分裂する際に必要となるのがIGF-1ということだそうです。

IGF-1は体内で分泌されるのですが、その量は加齢とともに減少してしまいます。
新生児期より若青年までに発現が80%減少してしまうそうで、その後は加齢とともにさらに減少していくのだそうです。
これは成長ホルモンの量が加齢とともに減少するためであるのだとか。
それを補うために、食物から摂取しようということで、件の八丁味噌の記事に繋がったというわけです。
まえに書いたとおり八丁味噌は大豆のみで作られているため、大豆イソフラボンが他の味噌に比べて多く含まれているのが特徴です。
大豆イソフラボンはホルモンの分泌を促す効果があり、身体に必須であるアミノ酸や
成長ホルモンの分泌促進に有用とされるアルギニン、各種ビタミン群など有する栄養素満点の食品です。
後述しますが摂りすぎは良くないため、育毛を大事に思っている方は適度に食生活に摂りいれていくことをお薦めします。

IGF-1摂取の注意

そんなIGF-1ですが、日常の生活習慣によっては加齢を待たずに分泌を抑制してしまうこともあるそうです。
まずは食生活の乱れです。暴飲暴食や不規則な食事、過度な飲酒などを繰り返していませんか?
それら行為は、IGF-1の分泌を抑制してしまうことのみならず、身体の健康維持にとっても大敵なことは間違いありません。
また、睡眠不足もIGF-1の分泌量を低下させる要因になってしまいます。
IGF-1は成長ホルモンの分泌と密接に関連しており、成長ホルモンは特に睡眠時に分泌されるため、
睡眠障害などによる成長ホルモンの不足は結果としてIGF-1の分泌量が抑制されることに繋がってしまうのです。
健康な食生活、そして快眠は、健康維持の基本であります。健康な毛髪は健康な身体から! これは基本です。

そんな育毛にとって欠かせないと思われるIGF-1ですが、思わぬデメリットも存在します。
IGF-1は骨や皮膚、筋肉や肝臓、腎臓などの成長促進の作用がありますが、その作用はがん細胞にも及ぶと考られているのです。
「IGF-1がある数値以上に増えると、50~65歳の人のがんの死亡率が9%上昇した」との研究結果も過去に報告されたことがあるとか。
ただし、IGF-1が明らかに減少する65歳以上の人は、たんぱく質を積極的に摂るほうが死亡リスクが減少するとの結果もあるそうですので、
摂れとも、摂るなとも言いづらいのが現状です。
この件に関しては、未だ研究途中、途上の段階だということでしょうか。
ともあれ、過剰な摂取は控えておいたほうが良いのでしょう。

過ぎたるは及ばざるがごとし。それだけにとらわれず、育毛に良いらしいということ、
日常の食生活のルーティンに入れてみるのも一興、その程度に考えておくのが宜しいかと。

親和クリニック大阪院にて自毛植毛を行なう以前の私のような、
AGAが進行しきった人にとっては付け焼刃にしかならないのではないかと。
もちろん、日常的な育毛にとっては大事なことには違いありませんが。