Fotonaレーザーで毛包幹細胞を刺激

米国の美容情報系Webサイト「NEWBEAUTY」にて、レーザーを使って頭皮の毛包が再生できるかもしれないという情報を発見しました。
医療用レーザーは、皮膚のしみやニキビの跡の治療に加え、タトゥーなどを消したりムダ毛の脱毛に使われていたりするのが一般的です。
しかし、ニューヨークの皮膚科医であるドリス・デイ医師が、医療用のレーザーを使い、頭皮の毛包をも再生できることを発見したそうです。

デイ医師の治療とは

デイ医師は実際に、52歳の女性患者の髪を蘇らせることに成功したそうです。
デイ医師によるとこの患者は免疫システムが誤って毛包を攻撃することにより、頭皮の毛が完全に失われることを特徴とする全身脱毛症を患っていたそうです。
患者は今年の初めに著しい脱毛に気づき、家庭で出来る育毛法を試みたそうですが、症状に変化は見られませんでした。1週間後、彼女は治療のためにデイ医師の元を訪れたそうです。

最初の治療計画は、ケルセチン(フラボノイドの一種)の服用や、Duozymeというサプリメントの摂取、およびローカルコルチゾール(糖質コルチコイドの一種)の注射による治療でした。しかし、治療を行っても患者の症状が悪化し続けていたそうで、医師はFotonaレーザーでの治療を選びました。その結果、現在では患者の頭髪は美しく成長しているそうです。

デイ医師によると、Fotonaレーザーは穏やかな深熱の一種である光変調で休止状態の毛包の幹細胞を刺激し、毛髪の再成長を促すそうです。痛みを感じることはなく、ダウンタイムも無いと考えられています。光エネルギーは組織に浸透し、炎症を軽減し正常な細胞機能の回復を助ける一連の複雑な反応を誘発します。
また、光エネルギーは細胞のシグナル伝達にも影響を与え、細胞へ「目を覚ます」ように指示を出すと説明しています。

治療期間は2週間の間隔で、6か月間に合計11のFotonaレーザーセッションを実行したそうです。
Fotonaレーザーの治療は、2~3週間の間隔をあけて治療することがお勧めとしています。また、この治療に加えて、栄養補助食品の摂取も同時に行われたようです。

AGAへの効果のほどは…

医療用レーザーというと、どうしても脱毛のイメージがあります。
しかし、デイ医師が実際に行った治療法では、頭髪を蘇らせることに成功したそうです。確かに歯科でも医療用レーザーを用いて、細胞活性化させ、回復を早める治療が行われています。そのような細胞の代謝を活性化させるような治療ということなのでしょうか。

ただ、この記事をまとめていて気になった点は、患者が53歳の女性であるということです。女性にもAGAは存在しますが、それは男性型脱毛症とは別のもの。患者は全身脱毛症を患っていたそうですので、この結果をそのまま男性にあてはめることはできないでしょう。

しかし、医療用レーザーは、単純に細胞を切断するというような用途から、出力や波長を調整し、先に述べた様な細胞の活性化をはじめとした色々な用途で使われています。以前紹介したようにLEDの光を当てて育毛を促すヘルメット型の器具も日本で発売されています。
真偽は、判断ができませんが、このような事例をもとに医療用レーザーの研究がすすみ、効果的な治療法が確立されればと思います。