DHT阻害薬のAgePROST(TM)がAGA対策に有効?

自毛植毛手術は、薄毛対策の有効な手段ですが、AGA(男性型脱毛症)対策の医薬品と言えば、ザガーロやプロペシアなどが有名です。
主成分は、デュタステリドやフィナステリドで、それらは本来、前立腺ガンや前立腺肥大の治療薬として開発された医薬品でした。
それが研究途中で発毛効果が認められ、現在では発毛剤として処方されるようになりました。そんな発毛剤業界で今注目されているのが、AgePROST(TM)です。

主目的は前立腺の健康

AgePROST(TM)は、ブラジル原産の植物でキク科の一年草「カッコウアザミ」の抽出物です。
テルペノイド、ステロール、フラボノイド、クマリン、リグナンなどの多数の化合物が含まれ、前立腺の健康を維持することが示されています。カリブ海地域では前立腺と尿の健康を維持するために伝統的に使用されてきたそうです。
そして、カッコウアザミの抽出物は5αレダクターゼ阻害剤です。
尿道周囲の筋肉や膀胱頸部の平滑筋を弛緩させ、尿閉や頻尿を緩和できることが示されています。
また、テストステロンのDHTへの変換をブロックし、前立腺のサイズを小さくして尿の流れを改善します。現在でも研究は続けられているようで、臨床研究から得られた有意な前向きな結果により、男性の健康市場で強力な候補となることが期待されています。

これは、デュタステリドやフィナステリドと同様の効果を持っているということです。
ここで、私が親和クリニック大阪院で処方されているザガーロの有効成分である、デュタステリドを例にとり解説します。
前立腺肥大症の治療薬であるデュタステリドはテストステロンの作用を抑制し前立腺肥を縮小させます。
テストステロンは5αレダクターゼの作用によりジヒドロテストステロン(DHT)となります。
これが、AGAを引き起こす原因とされている物質です。5αレダクターゼを阻害することにより、テストステロンがDHTになることがなくなり、その結果としてAGAの発症を抑制するというのが発毛剤の根本的な考え方です。
デュタステリドを服用する事により薄毛の進行がストップし、服用を続けると頭髪が増えてきます。
もちろん、増毛効果やその副作用には個人差があります。

まとめ

近い将来、発毛剤業界にAgePROST(TM)に由来する医薬品が登場するかもしれません。
発毛剤の服用だけで薄毛が改善されればよいのですが、そうでもない場合もあります。
そういうところが、ハゲの悩みが一筋縄ではいかない理由です。
また、簡単に言えば、男性ホルモンを阻害して、AGAの進行を止めるわけですが、あまり濃度が高いと男性ホルモンを阻害することの弊害が心配されます。そういうところも難しいところの一つです。