骨粗しょう症を治療するために作られた薬がAGAに有効!?

マンチェスター大学のネイサン・ホークショウ博士が率いる研究チームは、
免疫抑制薬で関節リウマチや骨粗しょう症の治療向けに使用されている
Cyclosporine A(CsA)と呼ばれる薬剤に育毛効果が認められることを、
最新の研究により明らかにしたと発表されたそうです。

GIGAZINE
https://gigazine.net/news/20180510-scientists-find-cure-baldness/

研究者チームが毛髪移植患者の毛包にこの物質CsAを適用した実験を行なった際に、
遺伝子発現分析にて、毛包の組織の成長を妨げる物質であるSFRP1というタンパク質の発現をCsAが減少させることをつきとめたそうです。

また研究チームは、骨粗しょう症を治療するために開発されたWAY-316606という
別の化合物も分析したところ、こちらもSFRP1を標的とすることも確認し、タンパク質を抑制することでCsAより優れていることを発見しました。
さらに副作用も認められなかったそうです。
CsAは本来の用途において、副作用として頭痛や嘔吐、高血圧などを引き起こすことことがあるらしいのです。
しかしWAY-316606という化合物では、この実験においては副作用が確認されなかったということです。そこも気になります。

医薬品というものは、大なり小なり副作用があるようです。専門家ではないので明言はできませんが。
私は幸いにして、現状で服用している内服薬のプロペシア、外用薬のハイブリッドミノキシジル(親和クリニックのオリジナル)ともに、気になる副作用はでていません。しかし、あまり、強力な薬品を服用した場合、人によっては副作用が発現してしまうこともあるようです。

そんな副作用が確認されていないというのも、薄毛に悩む患者にとっては選択肢が広がるという点において喜ばしいことです。

現在、WAY-316606がヒトに対して安全であり、かつ育毛を促進するのに
有効であるかどうかを決定するために、臨床試験が行われなければならないと記事では伝えています。
ネイサン・ホークショウ博士の言によると、
「この発見は脱毛に苦しむ人々に真の意味をもたらす。この薬や同様の化合物が脱毛症患者に効果的で安全であるかどうかを伝えるために、さらなる臨床試験が必要です」
とのことです。

従来のAGA治療薬や薄毛治療薬に加え、科学的エビデンスを持つ新薬が登場するのはうれしい限りです。

現在のAGA薬は、基本的に男性ホルモンをキーに作られる脱毛原因成分をこのルートの阻害、つまり男性ホルモンがⅡ型リアクターゼに変換されることを阻害することにより、薄毛の促進を防ぎます。そのため、女性などに多いと言われていますが、このことが原因でないものには、あまり効果が望めません。また、あまり強力な男性ホルモンの阻害は、他の影響(例えば、EDや体の女性化など)も懸念されます。そういう意味でも、植毛、自毛植毛手術も有効な手段であるといえますが、別のアプローチがあってマイナスはありません。

報告された成分はいまのところ、男女を問わず有効性が期待できるとのことでそのことも嬉しいです。こちらの話題の続報を待ちたいところです。