英国で毛嚢凍結保存事業がスタート

ニュースサイト・ビジネスクラウドによると、イギリスの新興企業であるヘアクローン社が、後年必要になるまでユーザーの既存の毛包を保存する
サービスを開始するライセンスをイギリスの規制当局から付与されたそうです。

businesscloud(英語のサイトです)
https://www.businesscloud.co.uk/news/world-first-start-up-hairclone-launches-baldness-cure

毛包バンクサービス概要

このサービスは、脱毛を心配する男性と女性の患者が毛包の一部を「凍結保存」しておけるようにするものです。
いわば毛包バンクとでも言うのでしょうか。
さらなる追加承認が条件となりますが、将来的にはこれらの保存された卵胞が、
薄毛が進行してしまった際に移植する元にできることが期待されています。

この毛包バンクは性別を問わず18歳以上のすべての大人に開放され、約2,000ポンドの費用がかかります。
日本円にすると9月現在で270000円弱といったところです。
凍結保存を希望する患者は診察から始まり、そこで受け入れられた患者は、
頭の後ろから約100個の毛包を取り除くのだそうです。こここまでは、現在の自毛植毛と同じ流れですね。
これら外科的処置は1時間未満で完了するとのこと。

保存された卵胞は細胞の生存率を維持するために凍結保存され、
後にヘアクローン社のパートナー組織であるバンクでマイナス180℃で保存されるそうです。

開発者コメント

ヘアクローン社CEOのポール・ケンプ博士は、
「HairCloneは、真皮乳頭細胞を置換し、これらの小型化した卵胞を元の厚さと長さに再構築することを目指しています。
患者自身の保存された小胞からこれらの細胞を増殖させることにより、私たちの希望は、保存された少数の小胞から何千もの小型毛を再構築できることです。
私たちの目標は、これらの処理された髪が将来的に小型化するのを防ぎながら、患者の髪の密度を維持することです」
と述べています。
ヘアクローン社では今後、数か月で臨床パートナーの数を増やすと予想していますが、
イギリス、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、カナダのパートナークリニックから50マイル以内に、すでに1億人以上の人々がいると述べています。
各国に、薄毛に悩む人がこんなにも多くいるのですね。

まとめ

私が実践した親和クリニック大阪院での自毛植毛”MIRAI法”では、側頭部や後頭部から1株ずつ採取した移植株を、日を置かず即座に薄毛部に移植しました。
しかしヘアクローン社の事業では、採取した株を凍結保存し、必要になった時に使用するため
長期に渡って冷凍保存しておくというものなのです。
イギリスの国家機関から認証を得ているということは、凍結保存された毛嚢は活動を停止することなく、使用したいときには”生きた”状態で解凍できるということ。これはすごいです。
記事には培養について触れられておらず、上記の博士からの言葉もなかったので、
凍結保存からの培養は現在のところ想定されてはいないようです。

現在も日本国内で行われているiPS細胞を活用しての培養がスタートすれば、若い時に将来を見据えて毛嚢を凍結保存しておき、将来もし薄毛に悩むことになった場合に解凍。
培養して気になる箇所へ植毛するなんてことも実現可能かもしれません。