発毛剤と育毛剤はどう違う? ~育毛剤編~

「発毛剤」と「育毛剤」の違いについて、前回は発毛剤について報告してみましたので、
その続きで今回は育毛剤について調べてみました。

育毛剤というのは、その名が示すとおり「毛を育てる」役割をするもの。
無くなった毛を生やすのではなく、既存の毛を育てる手助けをする製品のことです。
ですので、毛が抜けてしまった毛根から「発毛」させる、つまり毛を生やす効果が認められるわけではないということです。

育毛剤は、ほぼすべてが医薬部外品です。これは、予防効果を謳ったり、医薬品よりは緩和だが人体に何らかの改善効果をもたらしたりするものが含まれます。
小売販売においては医薬品と異なり、特に許可制度は定められていません。
薬剤師や登録販売者がいないような店舗でも販売しているということです。コンビニとか。
ということは、ミノキシジルは配合されていないということです。
その代わり、天然由来の「育毛が期待できる成分」をいろいろ配合している商品が多いようです。

いまのところ、厚生労働省が壮年性脱毛症の毛髪用剤として正式に発毛効果を認めた医薬成分である「ミノキシジル」
を配合した薬であれば「発毛剤」を名乗ることができ、それ以外は別の分類であるということです。
なので、発毛剤以外の育毛剤類の製品では、「毛が生えてくる!」と明言してはいけないのです。

頭髪も、生命のある人体の一部ですので、アミノ酸やたんぱく質といった栄養を行きわたらせ、健康な状態を維持しておくことが望ましいことです。
身体内からの栄養だけではなく、外部から頭髪の栄養となるはずの成分を供給したり、ハリやコシのある健康な状態をサポートするための成分を塗布したりすること。
それが育毛剤の目的なのかなと私は思います。数ある育毛剤の商品説明を見てきた限りですが。

育毛剤とは、毛髪を生やすための薬ではなく、使用することでいま生えている毛を太く、そしてコシが出るように丈夫に育て、抜けにくくする効果を期待するものなのです。
薄毛に悩んでいる人にとっては、これはこれで効果があると言えます。
薄毛とは、抜け毛はもちろんですが、既存の毛髪が細く、コシがなく、弱くなってしまっている状態でもあります。
その頭髪を強く育てることで、頭髪全体をボリュームアップさせることができれば、地肌が見える割合が少なくなり、薄毛が気にならなくなるといった効果もあります。
発毛剤には、医薬品である以上、少なからず副作用というリスクが存在します。
しかし、医薬部外品ではそのリスクを少ないのが利点でもあります。とは言え、体質によっては、医薬部外品でも副作用的な症状が皆無ではないので、その点は注意が必要です。
また、育毛剤と名乗る製品においては、頭皮環境を改善させる効果を謳っているものも少なからず存在します。
毛細血管の血行不良や頭皮の荒れ、分泌される皮脂のバランス不良など、問題を抱えている頭皮では、頭髪の健康を維持することは困難です。
頭皮をケアすることは、既存の毛髪を育てるうえでは欠かせない行為ですので、積極的に行ないたいものです。

育毛剤ではなく、発毛促進剤を名乗る製品もありますが、いずれも毛を生やす効果が厚生労働省から正式に認められているものではないので、これも育毛剤と同じカテゴリーであると言えるでしょう。
「発毛を促進する(効果があるかもしれない薬)剤」と考えておくのが妥当でしょう。

発毛剤、そして育毛剤。使用するに当たっては、双方ともにメリット・デメリットがあります。薄毛具合、頭皮の状態、もちろん身体の健康やフトコロ具合などを考慮しつつ、
最適な製品を選びたいものです。自毛植毛手術を受けたものとしては、良いものなら取り入れて行きたいと常に考えています。

それと、発毛剤も育毛剤も、進行したAGA(男性型脱毛症)には望み薄なようです。
次回は、そのことについて報告します。