気になる抜け毛とタンパク質の関係

昨年末、ツイッターの一部で抜け毛に関する話題が取りざたされていました。
「抜け毛がひどい」とつぶやいた方のもとへ、「タンパク質を摂れ」や「プロテインを飲め」とアドバイスが来たのだそうです。
最初につぶやいた方はタンパク質を意識して摂取したところ、なんと抜け毛が収まったのだとか。これはどういうことなのでしょう。

傷んだ髪は育毛ケア商品に頼りがち

抜け毛や切れ毛が気になりだすと、まず目が行くのはヘアケア商品です。
日常的に使用するシャンプーやリンス、コンディショナー、育毛ローションなどを見直し、より育毛によさそうな商品を購入して試してみたりしがちです。
もちろん、そういった毛髪ケアも大切ですが、今回はそれよりも一歩踏み込んだ、髪を根本的からケアする方法についてのお話です。

髪とタンパク質の関係

髪の毛は三層のタンパク質で構成されています。
まず髪の毛の外側に存在するキューティクルですが、これは何層も重なった薄い膜で、
髪の毛の内部に存在するコルテックスや芯の部分のメデュラを保護する役割を担っています。
コルテックスというのは、髪のコシに関わる物質です。
コルテックスは繊維状のタンパク質で、不足すると切れ毛やコシのない細毛の原因となってしまいます。
そしてメデュラは髪の毛の中心を担う物質です。健康な髪の毛はこの三層のタンパク質で構成されています。

参考:コトバンク キューティクル
https://kotobank.jp/word/%E3%82%AD%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%AF%E3%83%AB-244015

参考:コトバンク コルテックス
https://kotobank.jp/word/%E3%82%B3%E3%83%AB%E3%83%86%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9-809943

参考:コトバンク メデュラ
https://kotobank.jp/word/%E3%83%A1%E3%83%87%E3%83%A5%E3%83%A9-810018

人体にタンパク質は不可欠

人体は、主に食物を経口摂取することで栄養を体内に取り込み、身体機能を維持するエネルギーとします。エネルギーになるものは主に糖質(炭水化物)や脂質です。他にも、身体の調子を整えるものとしてビタミンやミネラル類が必要で、身体を作るものとしてミネラル類と脂質、そしてタンパク質が必要となるのです。

タンパク質は多数のアミノ酸が結合したもので、約20種のアミノ酸からできています。そのうち、人間の身体に必要でありながら体内でつくることのできないものは必須アミノ酸と呼ばれています。摂取されたタンパク質はアミノ酸に分解され、筋肉や皮膚、毛髪、爪、臓器、神経などの細胞組織の成分となるのです。

糖質の摂取量が足りないときには、分解されてエネルギーとして消費されます。このため、糖質の不足はたんぱく質の本来の機能を奪うことになります。

タンパク質が不足すると

タンパク質の摂取は髪の健康のみならず、身体機能を維持するためにも必要不可欠なもの。タンパク質は筋肉や骨、臓器はもとより、髪や爪などあらゆる体づくりに使われる栄養素です。
タンパク質が不足するとそれらを作り出すができず、身体の機能低下を引き起こしてしまうこともあるのです。その結果として、体調を崩してしまう可能性が増加します。

特に高齢者はたんぱく質不足に気をつけねばなりません。加齢による食事量の低下や消化吸収力の弱まりによって、必要なたんぱく質を摂取しきれないということが発生する場合もあるのです。
高齢者の低栄養は、免疫機能の低下や筋力の落ち、骨が弱まるといったリスクが高まり、老化を加速させてしまう原因ともなってしまいます。

どのように摂取するか

タンパク質というと動物の肉をイメージさせる方も多いでしょうが、それだけではありません。
魚類や豆類、卵などタンパク質を豊富に含む食材は数多くあります。さらに、そういった食材以外でもプロテインとして経口摂取することもできます。
粉末状のものやお菓子のようなバー状のものなど、現在では様々な商品が販売されています。
身体の健康、髪の健康を考えて、タンパク質は積極的に摂取するようにしたいです。

ちなみに、抜け毛の原因がAGA(男性型脱毛症)由来である場合は、タンパク質の摂取や育毛ヘアケアといった手段だけでは髪の脱落を食い止めることは困難です。
抜け毛が気になる部位が頭頂部や生え際の後退などであった場合、それはAGAが発症しているかもしれないサイン。進行を抑えたいと望むのであれば、まずは専門医への無料カウンセリングをお試しください。