幸せのホルモンってなんだ?

最近、セロトニンというホルモンが話題です。
セロトニンにとは生理活性アミンの一種で、中枢神経系の伝達物質として働いています。脳機能の調節において重要な役割を果たすと考えられていますが、生体内の大部分のセロトニンは末梢に存在し、血管収縮、腸管蠕動運動、血小板凝縮などの調節因子として末梢でも多様な作用を持つと言います。
ただ、こう説明されてもその働きはなかなか具体的にイメージできないかと思います。

その正体はセロトニン

セロトニンとは別名で『幸せホルモン』と呼ばれる脳内ホルモンの一種で、神経を興奮させるノルアドレナリンや快感を増幅させるドーパミンと並び、感情や精神面、睡眠など人間の大切な機能に深く関係する三大神経伝達物質のひとつです。
脳は緊張やストレスを感じるとセロトニンを分泌し、ノルアドレナリンやドーパミンの働きを制御。これにより自律神経のバランスを整えようとするのだと言います。
セロトニンは精神を安定させるものであるとともに、脳を活発に働かせるためのカギともなる脳内物質なのです。
逆にセロトニンが不足してしまうと、精神のバランスが崩れ暴力的になったり、うつ病を発症したりする原因ともなると言います。

そして、いまを生きる人々の多くはセロトニンが不足した状態にあるといわれています。
セロトニンは、人や動物が体内で作ることのできない必須アミノ酸のひとつであるトリプトファンという物質から合成されます。

参考:セロトニン e-ヘルスネット 厚生労働省
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-074.html

参考:アミノ酸 e-ヘルスネット 厚生労働省
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-001.html

トリプトファンを摂るには

トリプトファンは体内で生成されないため、外部から摂る必要があります。その方法はずばり食事です。
トリプトファンが豊富に含まれる食品は大豆・豆製品、乳製品、米などの穀物類などとされています。
トリプトファンからセロトニンを合成するときにはビタミンB6が必要となります。
ビタミンB6を豊富に含むのは玄米や小麦胚芽、動物のレバーや赤身の魚などですが、動物性タンパク質に含まれるアミノ酸のBCAAはトリプトファンを脳へ取り込みを阻害する効果があると言います。
ただし、動物性タンパク質も炭水化物とビタミンB6を同時に摂取すると血糖が上昇してBCAAが筋肉に作用するため、脳内でのトリプトファンの合成が促進されることになると言います。
つまり、バランスの良い食事を摂ることで、トリプトファンの必要量は摂取できるということです。

参考:トリプトファン わかさ生活
https://himitsu.wakasa.jp/contents/tryptophan

トリプトファンを配合したサプリメントも発売されています。
しかしトリプトファンは日常の食事で必要量を賄えるともいわれ、サプリメントで補うことで過剰摂取となってしまう可能性もあります。
過剰摂取となった場合の弊害として、無気力や吐き気、頭痛などの症状が報告されています。
これはフランス食品衛生安全庁の意見書に掲載されており、日本では内閣府の食品安全委員会のHPで公開されています。

参考:食品安全総合情報システム 食品安全委員会
http://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu02950750188

トリプトファンからセロトニンへ

セロトニンを分泌するのはセロトニン神経です。
セロトニン神経は日光を浴びたり適度な運動を行なったりすることで活性化されます。成長ホルモンとは違い就寝時には分泌されることありません。
そして朝食の摂取も大事です。よく噛むことでもセロトニン神経は活性化されると言います。不思議なものですね。

起床後に日光を十分に浴びつつ軽い運動をし、リラックスした状態で穀物類や豆製品を使った朝食を食べる。
理想的な朝の光景ですが、これが幸せホルモンと呼ばれるセロトニンを分泌させるに効果的な生活です。

更年期障害の原因に?

ある年齢に達すると性別を問わず更年期障害という名の体調不良に悩まされる可能性があります。
一般的に更年期障害はホルモンバランスの変化や外的要因による自律神経の乱れにより引き起こされると考えられていますが、発症の原因はそれだけではなく、体内のセロトニンの減少により引き起こされるのだという考え方もあります。

先に更年期は性別を問わないと申しましたが、やはり比率的にみると女性が悩まされる割合が多いようです。
その原因となるのは女性ホルモンであるエストロゲンが低下です。エストロゲンは脳にあるセロトニンと深い関係があります。
エストロゲンの低下はセロトニンの低下と直結しており、更年期ではセロトニン低下の波がおこるために心が不安定になりやすくなります。
これにより自律神経が乱れやすくなり、頭痛や疲れやすさなどのさまざまな不調を招いてしまうと言います。

心身の不調や脱毛症状を伴う更年期

ホルモンバランスの乱れやセロトニンの減少により引き起こされる更年期障害。
過度な発汗や動悸、めまいをなどの血管運動神経症状に加え、鬱々とした気持ちや苛立ち不眠などの精神神経症状があります。
そして見落とされがちですが、女性にとっても男性にとっても深刻なのが薄毛や脱毛の症状です。
目に見える症状としては地肌が透けや分け目が広がり、全体的な抜け毛の増加などが挙げられます。ただでさえ更年期により心身に不調をきたしているのに、さらに薄毛の精神的な悩みも抱えることになるのは厳しいです。
とは言え、現実問題として誰の身にも起こり得る話なのです。

私は、若いころからAGA(男性型脱毛症)由来の薄毛化に悩み、40歳代にして梅田の親和クリニック大阪院で自毛植毛を受診し頭髪を取り戻しました。
日々増える脱毛、止まらない薄毛化、周囲からの心無いハゲイジリ。自毛植毛するまえは計り知れないストレスを抱えて暮らしえきました。
あのような辛く思い悩んだ日々、他の人に味あわせたくはないです。

身に起こる病気や症状というものは、自信ではコントロールできません。
ただし、病気や症状のなかには日々の生活で気を配ることにより発症を抑制し得ることができるものもあります。
だから、壮年を迎えようとしていて体調がすぐれない日々が続くと感じられている方がいらっしゃいましたら、まずは生活様式を見直してみてください。
そして性別や年齢を問わず薄毛の症状に悩まれている方は、どうか専門医に相談してみてください。
私がお世話になった親和クリニック大阪院もそうですが、多くの薄毛クリニックでは無料でカウンセリングを受診できます。

病気や症状はいつ発症するかわかりません。遺伝由来で発症するAGAはその最たるものです。AGAを原因とするハゲは、ハゲたくてハゲたわけではないのです。
他の病気も同様です。なりたくてなった人などいません。
新型コロナウィルス感染症(COVID-19)もそうですが、まずは(病気に)罹らないよう予防すること、そして何らかの症状が出たらとにかくクリニックで受診することが大切です。

病気でも薄毛の症状でも早期発見(確認)で早期治療が効果的です。AGAは進行性です。気になったときがカウンセリング受診の好機です。