再生医療実現への道

このWebの記事では、自毛植毛手術や育毛など頭髪に関するネタだけを扱ってきましたが、
今回に限ってはちょっと毛色の変わった記事をお届けします。

実は私、12月6日付けの朝日新聞デジタルにて、気になる記事を見つけました。

朝日新聞デジタル
http://www.asahi.com/articles/ASKD54FGDKD5ULBJ00M.html

国立研究開発法人 科学技術振興機構(JST)
https://www.jst.go.jp/pr/announce/20170615/index.html

横浜市立大学の谷口英樹教授らの研究チームが、ヒトのiPS細胞(人工多能性幹細胞)から、直径約0・1ミリ程度の「ミニ肝臓」を大量に製造することに成功したと、アメリカの科学誌セルリポーツに発表したとのことです。

同研究チームは、2013年の時点でヒトのiPS細胞からミニ肝臓を作ることに成功しており、
今回は一度に、大量のミニ肝臓を作り出すことができたのだそうです。
実際の治療時には、ミニ肝臓を数万個以上作る必要があるそうで、今回の成功により実現がより近くなったのでしょう。

クラレ社との共同開発により、特殊な培養プレートを製造。
高品質で均質なミニ肝臓を1枚のプレート上に2万個作ることに成功したそうです。
製造したミニ肝臓を肝不全のマウスに移植したところ、生存期間が大幅に改善することも確認できたとか。
重篤な肝臓病を治療する再生医療の実現が、また一歩近づいたようですね。

ということで、ここからは私の妄想です。

ミニ肝臓をは2013年時点で作成に成功していた。
なら、頭髪の生成や育成をつかさどる毛根などをiPS細胞を活用して人工的に増やす研究はどうなっているんだろう?

以前に記事にしたことがありますが、iPS細胞での毛根の再生医療の研究は現在でも滞ることなく進められているはずです。

日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZZO72008980Q4A530C1000000/

ミニ肝臓のように、毛髪の株を一度に多数、製造することができれば、
毛根が失われてしまった頭部にも、毛髪を蘇らせることができます。
もちろん現在でも、自毛植毛手術によってそれは可能ではありますが。
自分の頭髪(ドナー)を採取し、それを即座に移植するのがいまの自毛植毛手術ですが、
iPS細胞による底部毛根鞘細胞の複製が商業ベースに移行すると、
ドナー採取が少数で済み、大量に複製して培養した底部毛根鞘細胞を頭部へ移植することが可能となるのです。

生命維持のために優先される臓器に対する研究が先行するのは当然のことですが、頭髪に関する研究も早めに進んでくれるといいなぁと思う今日この頃でした。