ワインに含まれる成分の酒石酸に発毛促進効果が!

今回、国内製薬会社の大手「ロート製薬」が、ワインなどに含まれる酸味成分の酒石酸(しゅせきさん)に頭皮の細胞から発毛促進物質の産出を増加させる効果があることを発見。
現在、新たな製品開発に生かそうと研究を進めているとの情報を入手しました。自毛植毛手術を受けた身としては、気になるところ。そこで、今回は、この話題についてレポートします。

酒石酸は酸味のある果実、特にレモンやブドウ、そしてブドウの加工物であるワインに多く含まれる有機化合物のことでして、ヒドロキシ酸のことを指すそうです。
そしてヒドロキシ酸とは、果実やワイン、サワーミルクなどに含まれており、世界各地でスキンケアのために使用されてきたものだそうなのです。

酒石酸の効果・効能は?

酒石酸は皮膚を弱酸性の状態に保ったり、微生物の繁殖を抑制したりする効果で知られています。
酒石酸(=ヒドロキシ酸)は古くから使用されており、エジプトではサワーミルクの風呂に入ると皮膚が健康的で美しくなるとして好まれ、フランスにおいては皮膚をなめらかにするため、古くなったワインで洗顔をしていたといわれているとのこと。
不要な角層を剥離させることも報告されているそうです。
使用にあたっては濃度や酸性度に留意する必要があり、角層や表皮がもつ本来のバリア機能や水分保持機能が低下してしまう場合もあるそうです。
適切に使用しないと肌トラブルに繋がってしまうほどのものだそうです。

頭皮の毛穴にある育毛や発毛に関わる細胞に作用

ロート製薬は、酒石酸が持つ皮膚の細胞に対する強い作用に注目し研究に着手したそうです。
頭皮の毛穴にある育毛や発毛に関わる細胞を培養し酒石酸を与えると、
毛髪の成長を促す作用を持つ物質が最大で約1.6倍に増加したと記事には書かれています。
「頭皮の毛穴にある育毛や発毛に関わる細胞」とありますが、これはおそらく頭髪の成長に関わるケラチノサイト成長因子、毛包の細胞を増殖させるとともに毛周期における成長期の促進を担うインスリン様成長因子-1、毛周期における成長期を促進させる肝細胞成長因子、
毛周期を制御し育毛を促進させる血管内皮細胞成長因子、上皮毛包の相互作用や毛包の真皮間葉系の相互作用に必須な血小板由来細胞成長因子-AAという、これらのすべてか、もしくはいずれかに作用するのだと推測できます。

ロート製薬では細胞を使った試験しか実施していないため、現時点では酒石酸をヒトの頭皮に直接つけたり、飲み薬のように経口摂取したりすることで発毛効果が出るのかどうかまでは確認できていないとのことです。研究途中ということで期待も膨らみます。
それにしても、頭髪の成長を促す力がパワーアップするかもしれないというのは朗報です。
梅田の親和クリニック大阪院で行っている植毛手術も良いですが、この研究も、進捗を見守りたいところです。