少しまえの記事ですが、ニューズウィーク日本版で
「ヘアカラーと縮毛矯正に潜む乳がん発症リスク」
というニューズが報じられていました。
出典:ニューズウィーク日本版にて
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/12/post-13534.php
乳がんの発症リスクが上昇
記事によると、
※※ここから引用※※
定期的に髪を染めたり縮毛矯正をしている女性は、乳がんの発症リスクが高くなる。カラー剤などに発がん性物質が含まれているためだ。
ヘアカラーで定期的に髪を染めている女性は、乳がんになるリスクが最大60%増すとの研究結果が、学術誌「インターナショナル・ジャーナル・オブ・キャンサー」に掲載された。※※ここまで引用※※
累計で4万5000人以上の女性の医学的記録を検証した結果、ヘアカラーの使用歴と乳がんの発症率の間に正の相関関係があることが判明したと言います。
この傾向は、特に黒人女性の間で顕著になり、そして女性が使うヘアカラーのタイプによって、乳がん発症のリスクに変化するのだと述べています。
髪を濃い色に染めるカラー剤の場合は、黒人女性で51%、白人女性で8%のリスク増。
明るい色に染めるカラー剤では、黒人女性で46%、白人女性で12%のリスク増。
濃い色ほど発症リスクが高まると言います。
人種による差は何故?
なぜ人種により差が生じるのかについては、明確な理由は判明していないそうですが、黒人向けと白人向けではカラー剤の成分が異なることに関連するかもしれないと考えられています。
黒人女性向けのカラー剤には、内分泌をかく乱する化学物質がより高いレベルで含まれていることを示す研究もあると言います。
アメリカでの研究結果ですので、報道されているのはここまでで、黄色人種にとってはどうなのか気になります。
ちなみにこの論文は、統計的なパターンや傾向を分析したもので、ヘアカラーが乳がん発症の直接的な原因だと証明するものではありませんと注釈されています。
化学薬品を使った縮毛矯正と乳がんリスクの間にも、統計的に有意な相関関係があることが明らかになったのですが、研究チームは、この結果については他の研究による検証が必要な点を強調しています。
他の研究では…
過去のニューズウィークの記事でヘアカラーの危険性を述べている一方、ハーバード大学医学大学院およびブリガム・アンド・ウイメンズ病院の研究チームからは、ヘアカラー剤と癌の間に関連性は認められないと発表されました。
117,000人を超える米国の女性のがんリスクを36年間追跡した後、研究チームはヘアカラー剤の個人的な使用は、膀胱、脳、結腸、腎臓、肺、血液、または免疫系のがんを発症するリスクの増加とは関連がないことを発見したと言います。
また、これらの染料は、ほとんどの皮膚がんや乳がんの上昇に関連していなかったと言います。
完璧に安全かというと
ヘアカラー剤の染料は皮膚がんや乳がんの罹患率の上昇に関連してはいなかったのだそうですが、恒久的な色素の使用は基底細胞がん(皮膚がん)や卵巣がん、およびある種の乳がんのリスクのわずかな増加に関連していたと言います。
さらに、ホジキンリンパ腫(注1)のリスクの増加が観察されましたが、それは髪が暗い色の女性でのみだったと報告しています。
観察研究であり今回の結果がすべてではない
研究チームは結果について、個人使用におけるヘアカラーの発がん性に関する現在の証拠は決定的ではないと結論付けました。
ただし今回の研究は観察研究であり、ヘアカラーとがんの発症の因果関係を証明するものではないことも補足しています。
そして、さらなる調査が必要であると付け加えました。
付け加えて、潜在的なリスクを減らすためには、消費者は「手袋を使用し短時間に処理を行ない、使用後に頭皮を水で完全にすすぐ」などの指示に注意深く従うことを提案しています。
まとめ
過去にAGA(男性型脱毛症)由来の薄毛化に悩み、親和クリニック大阪院での自毛植毛でハゲを克服した私にとって、ヘアカラーで髪を染めるという行為は髪のダメージや抜け毛などにつながってしまう印象が強いため、積極的に行おうとは思ってきませんでした。
とは言え、ヘアカラーががんの発症につながる可能性があるというのは驚きでした。
特に女性の場合、髪色を変えて気分を一新するというのは日常的にされていることで、それが女性特有の病である乳がんの発症を左右するかもしれないというのはショックです。
がんは早期発見・早期治療が大切と言われています。
もちろん、発症原因(かもしれない)と言われているものや行為を日常生活のなかに採り入れないことも大事です。
新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の感染リスクを抑制することともに、それ以外の疾病に関する予防も日常のものとして、健康的に暮らしていきたいものです。