ジメチルポリシロキサンと脱毛症の関係性

少しまえに、米国のトランプ大統領が新型コロナウイルスに罹患したとのニュースがありました。
陽性が判明した後、すぐ治療に入り復活をアピールしていましたが、大統領という立場上、無理しないという選択はないのでしょうが。
そんなトランプ大統領に関する記事に、気になるポイントを見つけたのでピックアップさせてもらいました。

出典:AsageiBiz
https://asagei.biz/excerpt/21190

トランプ大統領の行動面について述べられた後に、注目の一文が書かれています。
「マクドナルドのフライドポテト調理時に使われる油に含まれるジメチルポリシロキサンという高分子化合物が、抜け毛防止に効果があるかもしれないという研究論文が発表された」とのこと。
そして、「偏食と生活習慣病というマイナスイメージを払しょくさせたかったのでしょう」ということで、マクドのフライドポテトを食べているから身体も髪も健康だということを言いたいのであろうことが書かれています。
トランプ大統領は(一見)フサフサのイメージがあります。

横浜国立大でのマウス実験

ジメチルポリシロキサンが脱毛の治療法に利用できるかもしれないというニュースは、以前に私も目にしました。
しかし、その時点ではここに取り上げることはせず、その後の推移を見守ろうという結論に至ったわけですが、なかなか「その後」が話題に上がることがないまま現在に至っていたという次第です。
トランプ大統領のコロナ罹患で取り上げれるとは思いもしませんでした。

では、ジメチルポリシロキサンと脱毛症治療との関係性を振り返ってみます。
そのニュースが流れたのは2018年のことです。

出典:Newsweek
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/02/post-9476.php

横浜国立大学の福田淳二教授が、マウスの毛の再生を試みる実験を行ないました。
その実験において、毛包原基を大量に作製するための培養器に使う基材を何にするかという点がカギであったとのことで、
「培養器の底に、酸素透過性の高いジメチルポリシロキサンを使ったところ、大変うまくいった」と述べられているそうです。

研究チームはこのやり方で5000の毛包原基を一度に作製。
続いて、「一様に並べられた毛包原基を毛のないマウスの背中に注入したところ、有効な毛包となって毛穴を作れることが示された」と確認されたようです。
「このテクニックが毛髪再生医療を進歩させ、男性ホルモン型脱毛症といった脱毛の治療に役立つことを期待している」とは当時の教授の弁です。

フライドポテト=ハゲに効く…ではない!

Newsweekでは過激な表現は使われておりませんが、ニュースサイトや誰もが利用できる掲示板等の性質上、まるでマクドのポテトがハゲに有効かのような見出しを掲げますが、真相を確かめてみるとまったく違うものでした。
フライドポテトの製造過程で使用されている物質が、科学者の研究でも使用されているだけのことというです。

しかし、毛包の培養においてジメチルポリシロキサンの活用が効果的である可能性は、横浜国立大学の研究で確認されたそうですし、将来的な毛包培養技術の発展には期待を寄せたいところです。