アデランスがMBOによる上場廃止!

かつら製品の雄”アデランス”が10月14日、MBO(経営陣が参加する買収)を実施すると発表したとのニュースが飛び込んできた。
東洋経済オンライン(http://toyokeizai.net/articles/-/140518)によると、
アデランスは投資会社のインテグラルが100%出資する子会社を設立、同社を通じアデランス株のTOB(公開買い付け)を実施するとのことだ。

同社は2014年2月期には36億円の営業利益を出していたものの、本年度の第2四半期売上高は前年同期比5%も減少。
営業利益も1.6億円と前期比6割以上も減少している。

この大規模な減少は、

かつら市場、なかでも同社の柱のひとつである女性用オーダーメイド品市場の低迷にあるという。
2月~8月期では、オーダーメイド品の新規顧客は前年同期から3割近くも減っているとのこと。
さらに深刻なのは、ここ1~2年で既製品市場の競争が突如として激化したことにもあるという。
現在、独自製品を販売している通販会社や美容院などのほか、異業種の大手も相次いで参入。
ここで問題となるのは、格安ウィッグなどによる価格破壊にある。
そのため、アデランスの女性用ウィッグ「フォンテーヌ」の売り上げ高も低迷しているとのことだ。

以前にも書いたが、かつらは初期費用、そして装着し続け、状態を維持していくためには
ランニングコストが非常にかかってしまう。

同記事では他社製のかつらにのみ言及しているが、かつら製品の売上高減少の陰には、
自毛植毛手術の一般化も大いに関係していると私は思っている。

前述したとおり、かつらはトータル的に観て高額な費用がかかる。
それに比べ自毛植毛手術は、手術時のコストは高額なものの、
手術以降は比較的に安価に抑えることができる。
(注:手術時のクリニックや執刀医に左右されてしまうが)
しかも、手術以降は”自毛”である。他人の目を気にする人となると、この差は大きい。

新たな技術の大衆化。それによるかつての雄の苦境。

時代の変化は、こういった事象からも見えてくるのだろう。