iPS細胞を使い難病の進行抑制物質を発見

育毛や発毛に関する話題ではないので恐縮ですが、個人的に大きな期待を寄せる研究結果を見つけましたのでご報告します。
京都大学iPS細胞研究所などのチームが、難病のALS(筋萎縮性側索硬化症)の
治療薬につながる有力な候補物質を発見したと発表しました。

産経WEST
https://www.sankei.com/west/news/170525/wst1705250008-n1.html

ALS(筋萎縮性側索硬化症)とは、脳や末梢神経からの命令を筋肉に伝える運動ニューロン(運動神経細胞)が侵される病気のことです。現在のところそのメカニズムは詳しく知られておらず、十分な治療法はありません。
日に日に筋肉が委縮し、筋力が低下。その結果身体を動かすことができなくなってしまう。
難病の一つに指定されており、現在、日本に約8,300人前後の患者がいると考えられているそうです。

今回、同チームの研究において、ALS患者由来iPS細胞から作製した運動神経細胞を、
千種類を超える既存薬と化合させたところ、慢性骨髄性白血病の治療薬である「ボスチニブ」が有効であることを見つけ出したのです。
簡単に言うと、ALSの細胞と既存の薬を掛け合わせ、ALSの抑制に効果があるという結果を導き出した。ということでしょうか。

同研究チームの方は「研究に使う神経細胞をiPS細胞から安定的に作り出す技術が大きい」との申されています。
その上で、すぐに治療で使えるわけではないとしながらも、10年以内の実用化を目指しているそうです。

iPS細胞を活用することで、難病を抑制することができるようになるかもしれません。
我々の悩みである薄毛やハゲは病気ではありませんので同一視するのは失礼にあたるかもしれませんが、iPS細胞というのは様々な病気や症状を改善・抑制・変化させることができるのです。

AGAに限って言えば、頭髪が生えてくる頭皮の再生が注目すべき技術です。
私が親和クリニック大阪院で行なった植毛(=自毛植毛)手術では、後頭部や側頭部からドナーとなる毛包をくり抜いて採取し、それを頭頂部のハゲた部分に移植しました。移植できる数は採取した数と同じ、つまりは等価交換が原則なのですが、iPS細胞を活用した技術では採取したドナーを培養することで数を増やすことができ、増やした分だけ植えつけることができるようになるのです。
数か所からドナーを採取するだけで、それが数千もの移植毛とすることができる。これは植毛(=自毛植毛)手術にとって夢の技術です。

また、今回紹介した記事にある「既存の薬と掛け合わせる」という実験というのは、
もしかしたらではありますが、AGAを治療するための医薬品の発見も有りうる可能性が考えられるのではないでしょうか。

ですが、それはまだ先の話。以前も書きましたが、AGAは進行性です。
AGAに悩んでいる方は、遅きに失する前に、いまできる手立てのなかで最も有効と目されている自毛植毛を一考してみてください。

iPS細胞の発見、そしてそれを利用した実験の数々。iPS細胞の活用により、医学の発展は加速していますね。
我々の孫子の代かその先か。いつの日か、この世から死に至る病が絶滅する日が来るのではないでしょうか。