頭皮の痒みは育毛にとって大敵

先日、内ももや膝の裏、左右の二の腕や腰のあたりを妙な痒みが襲いました。
何気なく、ボリボリ掻いていたところ、腫れ上がるまではいかないものの、
皮膚が真っ赤になって熱を帯び、痒さが増してしまうという症状に見舞われました。
熱を持った足では歩くのもつらく、そうこうしているうちに悪寒も覚え頭もクラクラしてくる始末。
数日間、軟膏を塗布して横になるしかない体たらくだったのですが、そこで思ったのが「植毛手術(自毛植毛手術)をした頭皮じゃなくてホント良かった」ということ。
というわけで、今回は頭皮の痒みについて考察してみます。

皮脂の量とかゆみについて

まず、頭皮は体の中でも皮脂量が多い部位です。
皮脂が多いと細菌が繁殖しやすい環境となり、洗髪が不十分だと頭皮に汚れや皮脂が残り細菌が繁殖してしまいます。
細菌は痒みの原因となりますし、汚れや皮脂で毛根が詰まると炎症を起こし、これもまた痒みが発生するのです。
逆に、本来は頭皮を守る役割の皮脂が不足すると、カサカサに乾燥してしまいます。
頭皮の防御機能が失われ、汚れなどが奥まで浸透し刺激となって痒みが起こることもあります。
頭皮のバリアという役割を持つ皮脂は、多すぎても、少なすぎても良くないということです。
そんな頭皮や頭髪を洗浄するシャンプーですが、これまた痒みの原因になってしまうことがあります。
それは、自分の肌に合わない種類のものを使うこと。そしてシャンプーのすすぎ残しです。
すすぎ残してしまったシャンプー液は、頭皮に残留しそれが汚れとなり毛穴を詰まらせてしまうのです。
こうなると細菌も繁殖し放題。痒みが出るのはもちろん、育毛にとっても大敵です。
また、自分の肌に合わないシャンプーを使用した場合、頭皮以外にも顔や肩、首、耳にも付着してかゆくなることがあります。
これは接触性皮膚炎(かぶれ)と言い、特定の物質に触れると皮膚が赤くなり、かゆくなるのです。

注意しなくてはいけないかゆみの原因

そしてここからは、細菌よりももっと重大な問題です。
それは、アタマジラミ症です。頭ジラミとは、頭皮に寄生する吸血性の昆虫のことです。
さされてしまうと、しばらくして頭皮に激しい痒みが発生します。
銭湯やサウナ、温泉やプール施設での感染に加えて、すでに頭ジラミに感染している人と帽子やタオル、枕などを共有することで感染します。
感染したアタマジラミは卵→幼虫→成虫の順番で成長します。成虫になっても翅がないため飛んだりはしません。
動くスピードは速く、なかなか発見できなかったりします。感染の恐れがある場合は、鏡を見ながら髪の毛をかき分け卵を探してください。
卵は乳白色の極小な楕円形で、手で払ってすぐ落ちるフケとは違い、卵は髪の毛にしっかりと固着しています。
アタマジラミは暖かく湿った場所を好み、寿命は1ヵ月ほど。一生で50~150個の卵を頭髪に産みつけ、繁殖します。
繁殖力が非常に強く、爆発的に数が増えます。そのため早期発見が重要です。
季節に関係なく、1年を通じて被害が見られます。被害者の多くは8歳以下の子供ですが、成人に感染するケースも存在します。
アタマジラミの被害をうけないためには、帽子やタオル、ヘアブラシなどを他人と共有しないこと、頭を寄せ合うような機会を減らすことも大事です。
現在、アタマジラミを駆除するためのシャンプーも大手製薬会社から発売されています。

頭皮の痒みはストレスに感じるだけでなく、育毛にとっても大敵です。
適切なケアを施して頭部を清潔に保ち、育毛を阻害する痒みの原因から頭皮を守ってあげてください。いざとなったら私のように植毛手術を受けることも方法もありますが、その前にケア充分にしてあげることも大切なことです。