当然ですが、頭髪も身体の一部。ほかの器官と同様に、栄養が無い状態では成長しません。いくら自毛植毛手術をしたからといって、原料となる栄養素を摂取していないと、頭髪が生える環境を整えたところでその効果が発揮されないことがあります。
そこで今回は、髪に必要な成分を改めて調べてみました。

頭髪はケラチンというタンパク質でできています。しかし、このケラチンというのが難物です。実は、ケラチンそのものを含んだ食材はほとんどなく、摂取したタンパク質が一度アミノ酸に分解され、そのアミノ酸が再合成されることで変わるのです。この再合成にはビタミンB群とミネラルが使用されます。
つまり、タンパク質、ビタミンB群、ミネラルという3つの栄養素を過不足なく摂取することが、頭髪を増やすためには必須なのです。

では、これら３つの栄養素を効率的に摂取するには、どのような食品が良いのでしょうか。

まずはタンパク質ですが、脂肪の多い食材を摂取すると皮脂が過剰に分泌されてしまいますので、頭皮環境の悪化につながってしまいます。
霜降りの牛肉などは美味しいですし魅力的ではありますが、頭髪に関してはNGということになります。もちろん量が多くなければ大丈夫ですよ。食べ過ぎは良くないってことです。
やはり魚類や大豆製品、肉でも、鶏ムネ肉やヒレ肉といった低カロリーな部位が好ましいです。
魚類は刺身に焼き魚、煮魚などなんでもこい。朝食に干物もいいですね。
大豆は豆腐や湯葉、納豆などで。豆乳などの大豆飲料も気軽に摂取できていいです。
パサつきがちな鶏ムネ肉やヒレ肉でも、調理の方法によってはシットリ美味しくいただけます。

次は、タンパク質の働きを促し新陳代謝を調節する役目を果たすミネラル。
これは、海藻類や果物、貝類やレバー類、大豆製品などに多く含まれています。
ハゲには海藻が効く！　というのは通説として認知されていますが、海藻がそのままダイレクトに効くわけではなく、海藻に含まれるミネラルが頭髪の育成に役立つから、結果として頭髪に良い！　ということなのです。
果物は一年を通して何らかの物が入手できるので、摂取には苦労しないでしょう。コンビニでもカットされた状態で販売されています。
貝類やレバー類、私はどちらも好物ですが、苦手な人もいるのではないでしょうか。そんな方は、他の食品でより多く摂取してください。
そして、ここにも出ました大豆製品。大豆は身体に良い上に頭髪にも効く。日常的に摂取しておくことが吉ですね。
ちなみにミネラルは、食生活で最も不足しがちな栄養素といわれています。積極的な摂取を心がけておきたいものです。

最後にビタミンB群。ビタミンB群とは、水溶性ビタミンのうち、ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、
パントテン酸、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、ビオチンの８種の総称で、ビタミンB複合体とも呼ばれるそうです。
タンパク質の代謝には、このビタミンB群が必須なのです。
それぞれの種類ごとに含まれる食品は異なるのですが、調べたところそれらは多岐に渡りすぎているので、今回はピックアップして紹介します。

まずは肉類として、豚肉、牛や豚、鶏のレバー類があげられます。好き嫌いは分かりますが、頭髪のためにはグッと堪えて食べましょう。
次に魚介類は、さんまやカツオ、にしんやマグロにマスなど。とにかく魚は身体に良いらしいので、積極的に摂りたいものです。
もちろん、野菜や果物もビタミンB群の摂取には不可欠な食材です。身体のことも考えると、野菜不足は避けたいところです。
そしておなじみ大豆類。ここまでくると｢大豆製品だけで食べていればいい｣とお思いでしょうが、もちろんそれだけではダメです。
ともかく、大豆製品は食生活の必需品と考えておいてください。
気になったのがナッツ類。お酒のお供にしている方も多いのではないでしょうか。
しかしながら油分も含まれるし、あまり身体に良さそうなイメージがない人もいるでしょう。しかし、そんなことはないのです。気軽に食べられる食品なので、日常的な摂取を心がけましょう。
ただし、その量が問題です。なんでもそうですが、摂りすぎは良くないということで。ドカ食いしてはダメです。

そうそう、お酒の飲みすぎも頭髪を育む栄養素的にはNGです。アルコールを分解するにはビタミンB群が多く使われるので、本来は頭髪の生成に使われるはずだったビタミンB群の不足につながってしまうのです。

ダイエットなどによる食事制限で栄養不足に陥ると、人体は脳や心臓などの重要な臓器へと優先的に栄養を回します。
生命維持に必要不可欠ではない頭髪は栄養の供給が後回しになってしまうのです。
痩せるために食事制限を課している人もいらっしゃるでしょうが、その際にも上記した３栄養素は不足なく摂取してください。

これら栄養素をバランスよく摂取することは、頭髪はもちろんのこと身体にとっても良いことです。植毛した髪と末永く付き合っていくためにも日常的な食生活において積極的に採り入れていくことをお薦めします。