血流改善で薄毛を予防

成人男性が薄毛になってしまう最大の理由はAGA(男性型脱毛症)だと思うのですが、それ以外の脱毛の理由のひとつとして考えられる、病気や生活上での不摂生による血流の悪化をとり上げようと思います。

生命維持に必要不可欠な血管

人体は体内に長大な血管が張り巡らされています。
血管とは血液を体内各所に運び流通させる管で、動脈、静脈、毛細血管の3つに区別されています。
心臓から出た血液は動脈を通って全身に送られます。動脈はより細い血管へと枝分かれし、やがて細動脈になります。
細動脈は毛細血管と呼ばれるさらに細い血管に分かれます。毛細血管の薄い壁を通して血液中の酸素と栄養分が組織内に移動し、組織内の老廃物が血液中に移動します。その後、毛細血管の血液は細静脈に送られ、静脈を通って心臓に戻ります。
血液は酸素や養分を身体の各所に運ぶ重要な役割を担っています。その血液を体内に巡らせるパイプが血管です。

頭皮下の毛細血管を大事に

血管は、末端にいくほど細くなります。心臓から離れた頭部にある毛細血管は、非常に細いものです。
とくに前頭部は血管の量が少ないうえに極細だとのことで、血流不全に陥ると最悪は毛細血管が途切れてしまう可能性もあると言います。
頭髪を産出する毛包が活動していくための栄養素は、毛細血管により送り届けられます。
その大切な毛細血管が切れてしまうということは、髪を生み出したり、成長させたりする栄養が届かなくなることを意味します。
そのため、か弱い毛細血管を日常的にケアしてあげることが、頭髪を失わないためにも大切です。
頭部の毛細血管をケアするためには、血流を上昇させることが重要です。
十分な血流があると、細胞がお互いにくっつきあって、血液の漏れを防ぎ、健康な毛細血管を生み出していきます。そのためには、日常的な運動が効果的です。

参考:NHK ガッテン! 毛細血管ケアSP
https://www9.nhk.or.jp/gatten/articles/20160713/index.html

血行不良が引き起こす不調

頭髪ケア以外に目を向けると血行不良で血の巡りが悪くなると毛細血管へ温かい血液が流れず、血管が収縮し、体の末端の冷えを引き起こしやすくなるという傾向があります。
また目の周りが血行不良になると眼精疲労が、血液の流れが滞ると筋肉に疲労物質が停滞するようになると肩こりや腰痛、関節痛を引き起こす場合があります。

やはり血行不良の主な原因は運動不足で、身体を動かす習慣のない方は血の巡りが滞りやすい傾向にあります。
また長時間同じ姿勢でいることも血液循環にとって良くないことです。リモートワークが推進されている現在、オフィスへの通勤が不要となり時間を有効活用できる反面、歩くことが極端に減ってしまっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
長時間にわたり同じ姿勢でいることは、血流を悪化させてしまうことにも繋がります。それを防ぐには小まめな姿勢変化や軽い体操など大切です。
血流を改善するには、日々の食生活はもちろん様々な心的・外的ストレス、身体に良くないものの過剰な摂取などを抑制することも大事です。
当たり前ですが、適度な運動やバランスの良い食事が、血流を良くするためには大事だということです。

参考:国立循環器病研究センター 病院 栄養に関する基礎知識
https://www.ncvc.go.jp/hospital/pub/knowledge/diet/diet01/

まとめ

バランスのとれた食事や日常的な運動によって血流が改善されたからと言って、すべての薄毛が解消されるわけではございません。
男性ホルモンであるテストステロンが、毛根にある5αリダクターゼという酵素によってジヒドロテストステロン(DHT)に変換されます。
DHTが頭髪を産み出す毛乳頭にある男性ホルモン受容体と結合すると、ヘアサイクルを乱すような働きをします。これがAGA(男性型脱毛症)と呼ばれる脱毛症の仕組みです。
この一連の流れは、因子を持っている男性であれば成人した後から発現する可能性を秘めています。
AGAは、遺伝によって発症する確率が左右されます。遺伝の要素が高いため、身体の健康状態や加齢といったものはあまり関係ありません。

これから真冬の寒さが本番を迎えようとしています。血行不良は身体の冷えにもつながります。生活習慣病を予防することにもつながりますので、健康維持のためにも日常的な血流ケアは怠らないでもらいたいです。

新型コロナウィルス感染症による生活の変化はまだまだ続くかもしれません。
おうち時間が増えている現在、AGAが疑われる方にとっては、専門医への相談し自毛植毛をはじめとする解決策を考えるタイミングではないでしょうか。
身体の健康も頭髪の健康も、ともに大事にしながらコロナ禍を乗り切っていきたいものです。