今回はAGA(男性型脱毛症)の原因ともいわれているジヒドロテストステロン（DHT）について、改めて解説します。
AGAとは、思春期以降に額の生え際や頭頂部の髪が薄くなる症状を言います。
その主な原因と考えられているのが、男性ホルモンの一種であるDHTです。
健康な身体を維持するために人体で分泌されるステロイドホルモンであるテストステロンが、酵素の一種である5αリダクターゼの働きによって代謝されるのがDHTです。
DHTは毛髪を生み出す毛母細胞を萎縮させる強力な男性ホルモンであるので、薄毛が促進してしまうというわけです。

５αリダクターゼにはⅠ型とⅡ型があり、頭皮ではⅠ型が皮脂腺に、Ⅱ型が前頭部や頭頂部の毛乳頭細胞にそれぞれ多く存在しています。
テストステロン自体にはハゲを起こす作用はなく、DHTに代謝されることで初めて薄毛や性欲減退を促す作用が出ると言われています。
このDHTの存在により頭髪の成長期が短くなるため、髪の毛は十分に育たないままに細くて短いうちに抜け落ちてしまうのです。
これが薄毛のメカニズムと言われています。

ヘアサイクルの乱れで薄毛まっしぐら

健康な状態であれば、頭髪は太く長い毛に成長する成長期を2年～6年のあいだ経て成長期の末期に毛球の退縮が始まります。
その後に毛球が完全に退化する退行期を２週間ほど経て、既存の頭髪が脱落し新しい毛が生えてくる休止期を3～4ヵ月はさみ、
また成長期へと続くサイクルを繰り返します。しかしAGAおける成長期はわずか数ヵ月～1年ほどで、このサイクルに乱れを生じてしまいます。
頭髪が十分に成長することなく脱落してしまうので、結果として毛が細く短くなり色も薄くなり、髪のすき間から地肌が透けて見えるようになります

プロペシアなどの発毛剤に含まれる薬効成分であるフィナステリドは、5αリダクターゼを阻害することでDHTの産出を抑えることができ、その結果として抜け毛を減らします。
しかし、すでに髪が生えてこなくなった部分においては、残念なことですが医薬品での発毛効果は見込めません。
私は親和クリニック大阪院で無料カウンセリングを受信した際、手術ではなく薬の服用と塗布だけで対処はできないかと質問してみました。
その時の私はAGAの進行が過度に進み、ハゲてしまっている部分が多すぎたため効果には限界があるとのこと。こうなってしまっては、医薬品以外に望みを託すしかありませんでした。
そのため、私は親和クリニック大阪院での自毛植毛手術に踏み切りました。

５αリダクターゼの分泌量は遺伝が関係していることが、遺伝的要因による禿げが存在すると言われる所以です。
また原因は遺伝だけではなく、生活環境や食習慣など後天的な要素からも発症するケースもあると考えられています。
私はAGAの存在を知ったのも、自毛植毛に踏み切ったのも40代になってからです。
AGAの発現は思春期以降であれば人それぞれで年齢を問いませんし、進行性のため歳を重ねるごとに薄毛の範囲は拡大していきます。
現在、AGAに対処する方法は多様に存在しています。悩まれたうえで試された方も多いでしょう。
しかし、私がお勧めするのはやはり専門医への相談です。
安心できる医師による治療薬の処方はもちろんのこと、失った頭髪を取り戻せる自毛植毛も検討してみる価値はあるはずです。