薄毛に効く漢方薬とは?

先月、東洋医療の漢方についての基礎を解説しましたので、
今回は薄毛や育毛に効果的とされている漢方薬をご紹介していきます。

薄毛に効く漢方薬とは?

まずは柴胡加竜骨牡蜥湯(さいこかりゅうこっぽれいとう)です。
これは、何らかのストレスによって起こる薄毛に効果を発揮するとされています。
外的・内的ストレスは現代社会において切り離せない問題でもありますね。
服用し続けることにより、自律神経を整えて本来の状態に戻す作用があるそうです。
ストレス性のハゲや円形脱毛症に適用があるのだとか。
また神経系を正常に戻す働きも期待できるそうで、男女を問わず更年期障害の症状にも良いそうです。
女性の更年期における脱毛症状にも有効なようです。

そして桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)です。
精神的ストレスを感じやすい方におすすめの漢方です。神経の高ぶりを鎮め、
不安を取り除いて気力をつけ、不安定な精神を落ち着かせるといった効果があるそうです。
疲れやすく、神経過敏で引き起こる不眠症やイライラ、不安などを改善してくれるのだとか。
過度なストレスによる抜け毛は深刻な問題になっています。円形脱毛症も起こり得ますし。
ささいなことが気になってしまい落ち着かないといった方に有効ですね。

次は、全身の血流を改善してくれる効果が期待できる漢方を3種ご紹介します。

まずは十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)
全身が弱ってしまっている人に向く漢方薬です。疲労倦怠感、貧血、皮膚の乾燥、食欲不振、寝汗、手足の冷えなどの不調があるとき服用すると効果があると言われています。
胃腸の働きを高め、食べ物の栄養分を十分に消化吸収できるようにし、
東洋医学における「気(人の体を支えるすべての原動力)」と「血(全身の組織や器官に栄養を与えるもの)」を巡らせ、
全身に行き渡るようにしてくれます。
病後や手術後の著しい体力低下時をはじめ、産後や貧血などで衰弱している時や
冷え症の改善など、さまざまな目的で使われています。
頭皮の毛根も血液から栄養や酸素をもらっているので、
頭皮に十分な血流を流してやることで育毛効果を発揮するのだとか。

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
血行障害やうっ血などを表す「血」の不足を補い、血液の巡りをよくして身体を温めます。
月経不順や月経異常、月経痛、更年期障害などによく用いられるほかにも、産前産後の不調への対策などにも使われているそうです。
めまいや立ちくらみ、頭重、肩こりの改善にも使われているそうで、頭部に関する症状の改善に効果がありそうですね。
全身に大切な栄養を与え、血行を良くするのと同時に、水分代謝を整えることで余分な水分を体からとり除き、女性にとってはうれしい、冷え症や生理不順も改善してくれるそうです。

加味逍遥散(かみしょうようさん)
月経異常や更年期障害など、女性特有の症状によく用いられるそうです。
体力があまりない人で、肩こりやめまい、頭痛などのほか、のぼせや発汗、イライラ、不安など様々な心身の不調に広く用いられます。
過度なストレスからくる頭痛やめまいや不安感、不眠など、心身の不調に使われています。

漢方薬の服用方法は?

漢方では、薄毛や抜け毛に対して直接的に効果が期待できるものというのは無さそうです。
いずれも、服用し続けることによってストレスなどの外的・内的な要因により乱れてしまった身体の気を整え、
血流を改善・促進することで全身に活力を取り戻し、その結果として抜け毛が発生する原因を改善していく、といったことでしょうか。
これが、体質改善ということなのでしょう。

そして、漢方薬を使用する場合の注意点ですが、特に指示がなければ空腹時に服用しましょう。
西洋薬は食後の服用が多いですが、これは薬品の刺激から胃を守るためだったりします。
漢方薬は胃から吸収されるので、胃のなかに食べ物がない状態で飲むのが効果的だそうです。
漢方薬は、ツムラやクラシエといった信頼ある製薬会社から販売されています。
もちろん、服用に当たっては説明書をよく読んで用法・用量を守ってください。

私は、植毛(自毛植毛)手術を受けた親和クリニック大阪院で処方してもらっているプロペシアとハイブリッドミノキシジルを服用・塗布しつつ、
何種類かの漢方も併用しています。

体質改善は、なにも頭髪だけの問題じゃないですから。