毛包の複製でAGA対策に光明が!?

年は明けて令和3年を迎えたものの、新型コロナウィルスの猛威は収束の気配を見せません。医療界もコロナ対策に重きを置いているようですが、まだまだ出口は見えないのが現状なのではないでしょうか。

医療従事者の方のご苦労を慮ることしかできないこの身ですが、献身的なそのお姿、本当に頭が下がる思いです。

そんななか、私はというと仕事も減ってしまい、仕事以外の活動である薄毛治療や育毛についての情報収集が悲しいことに捗るという状況です。
…困ったものです。新型コロナ禍の一日でも早い収束を願うばかりです。

毛包原基の大量複製

そんなわけで過去にさかのぼって資料を調べていたところ、採取した毛包を人為的に複製・培養する技術の、とある手法にたどり着きました。
毛包を培養する技術は以前にも紹介したのですが、今回ご紹介するのは独自の媒体を製造、活用した毛包原器の大量培養についての研究です。

参考:横浜国立大学大学院 工学府 景山助教 博士論文 (PDF注意)
https://ynu.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=8238&item_no=1&attribute_id=20&file_no=3

AGA(男性型脱毛症)に悩む男性にとって自毛植毛はひとつの解決策ですが、採取した1つの毛包は1か所にしか植毛できません。つまり1は1でしかないのです。
しかし採取した毛包を培養することで、1を複数個に増殖することができる。それが毛包の複製技術です。

京都大学の山中教授が発明したiPS細胞を活用した毛包の複製・培養技術が有名ですが、
それ以外にも以前に紹介した横浜国立大学の福田教授が率いるチームのジメチルポリシロキサンを活用した毛包培養技術も行われています。

参考:| [KISTEC] 地方独立行政法人 神奈川県立産業技術総合研究所
https://www.kistec.jp/r_and_d/project_res/labo_intro/fukuda_project/

毛包は一般的に、胎児期において外胚葉由来の上皮系細胞と、中胚葉由来の間葉系細胞との
相互作用により発生することが知られています。この発生過程を再現することにより、毛包器官の原基を作製。これを移植することで毛包再生を目指した研究が盛んに進められています。
しかし、数万本にも及ぶ毛髪の再生を考慮すると、均一な毛包原基を大量に作製する技術の
確立が不可欠なのです。

今回ご紹介する影山助教が研究されている「毛髪再生医療を目指した毛包原基の大量調製に関する研究」では、独自の酸素透過性マイクロアレイチップを開発し、そこに上皮系細胞と間葉系細胞を播種するのみで毛包原基を大量調製する手法を開発し、毛包原基を大量に調製する技術の確立を目的となっています。

毛包原基とは、毛包に含まれる上皮系細胞と間葉系細胞という2種類の細胞を塊状にして結合させたものの呼称です。

その毛包原器を、培地表面からの酸素供給に加えて、酸素透過性の高いPDMS膜を介した
底面からも酸素供給が可能であるマイクロアレイチップを活用して培養します。
細胞の大量培養では細胞の低酸素障害が課題となるそうですが、この技術により低酸素状態は抑制されます。その結果、毛包原基の大量培養を実現できたそうです。
そのほかにも実験に際して景山助教が採られた手法などについても述べられていますので、
毛包原器の大量培養に関してご興味のある方は是非ともご一読ください。

ヒトから採取した毛包を培養する技術の研究は多方面・多彩な技術を駆使して行なわれています。
元となる毛包の採取はもちろん、培養した毛包は移植するために手をかけられていることから、培養技術が確立された暁には自毛植毛の専門医の腕の見せ所となるでしょう。

私は多くのクリニックでカウンセリングを受けた後に、大阪・梅田の親和クリニック大阪院で自毛植毛を受けました。その結果、植毛した頭髪は問題なく成長し、いまの私の頭は違和感なく髪が生えそろっています。
術後にザガーロやハイブリッドミノキシジルなどの医薬品を活用していることもあるのでしょうが、以前の悲惨なAGA状態からは脱却できたと自負しております。

毛包原器の培養技術が確立されるまで待つのも良いでしょうが、それはいつになるか分かりません。
まずは現在の頭部の状況を専門医に相談してみるのも手です。

参考:親和クリニック大阪院
https://shinwa-clinic.jp/osaka/