幹細胞と3Dプリント技術でハゲ頭とオサラバ!?

アメリカのニュースサイト「The Atlantic」にて、幹細胞研究と3Dプリント技術を活用したハゲ解消法の研究をまとめた記事がアップされていました。

出典:The Atlantic
https://www.theatlantic.com/health/archive/2019/07/hair-for-all/594826/

研究所で行なわれている人体の様々な部位の再生実験のなかで、頭髪の再生は単純なもののように考えられています。それは、肝臓や脳のように機能する必要がないからです。

しかし、(成長を繰り返す)頭髪は多くの研究者が当初予想していたよりもはるかに複雑なもののようです。
頭髪を生成するために、人体は各毛包の根元にある真皮乳頭と呼ばれる何千もの幹細胞に依存しています。人間の頭皮には約10万個の毛包が含まれていますが、その寿命は限られています。
毛乳頭が時間とともに毛包は小型化して休止状態になります。毛包が休眠すると、回復することはありません。

答えは、新しい髪を作り出すこと

記事で取り上げられた研究は、毛包を新たに作り出し、無毛の皮膚を覆うために使用する方法を模索しているのだそうです。
自分の身体の細胞を使用することで、免疫システムが植毛を拒絶するリスクが最小限に抑えられます。
これは、現状の自毛植毛と同様です。人の皮膚や血液に由来する幹細胞を作り、真皮乳頭が豊富な毛包を古くて縮んだ休眠中の毛包の周りに移植するのだそうです。

毛包のクローンを作成する企業Stemson Therapeutics社が立ち上げられており、
人の皮膚や血液に由来する幹細胞から毛髪のクローンを成長させ、
真皮乳頭や毛包を収縮して休眠状態に入った毛包に移植することを試みているのだとか。
すでに人間の毛包をマウスに移植することに成功したそうです。
サイトではマウスの皮膚から人間の髪の毛のようななものが生えている様子の画像が掲載されています。

つまり、日本でも研究が進められているiPS細胞を活用した毛包の培養ではなく、
肝細胞を素材として真皮乳頭を作り出し、それをハゲた部位に移植するという技術です。

髪の生える向きを左右するのが形状

毛が同じ方向に伸び続けるためには、毛包の形状も重要になります。
研究室が人間の毛包をクローン化しマウスに移植した際、多くの毛が内向きまたは横向きに成長してしましました。
皮膚から発芽したものは、さまざまな角度から出てきたそうです。
卵胞を単に皮膚に入れると、多くの巻き毛と奇妙な方向が確認されたのだとか。
角度のわずかな違いでさえ、髪は深く不自然に見えたそうです。
私はが親和クリニック大阪院で自毛植毛を受けたときもそうでしたが、移植した後に頭髪が生えてくる方向を考慮することは、植毛技術にとって見逃せないポイントでもあるのです。

この研究、現状ではマウスによる実験の段階ですが、約1年半後にはヒトでの臨床試験を開始する予定であると述べています。

3Dプリント技術で毛包を再生

一方、コロンビア大学の遺伝学および皮膚科学の教授であるアンジェラ・クリスチアーノは、
3Dプリント技術を使用して毛包と真皮乳頭が毛に分化するときに乳頭と乳頭を保持する型を生成しました。
クリスティアーノは昨年12月にネイチャーコミュニケーションズ誌に結果を報告し、培養したヒト細胞から髪全体を再生する能力は、さまざまな種類の脱毛症や慢性創傷の医療管理に変革をもたらすであろうと書いています。
脱毛は男性に多くの注意を払っていますが、米国では約3,000万人の女性が薄毛を経験していると述べています。
残念ながら、この技術の詳細は記載されていません。

これらの技術、ヒトの新しい毛髪を毛包ごとに作成することは法外に高価だそうです。
広く使われるようになれば技術開発コストが下がるはずですが、
髪の再生は手頃な価格ではありませんと記されています。

やはりアメリカにおいても、新たな医科学的な技術は高コストなんですね。