少し前の話になりますが、ファインセラミックや電子部品などの開発・生産でおなじみの京セラが、
国立研究開発法人理化学研究所(理研)などと組んで、
再生医療分野である「毛包器官再生による脱毛症の治療」に関する共同研究契約を締結。
今後、毛包器官を再生して脱毛症を治療する技術や製品の開発を実施することを発表した。
(http://www.kyocera.co.jp/news/2016/0703_kogi.html)
理研は細胞の幹細胞の培養技術を、京セラは電子部品で培った加工技術を活かし細胞の自動培養加工機器の技術などの開発を担うこととなる。
今後2年ほどかけて技術開発や安全性の確認し、
2020年に細胞の受託製造事業への参入を目指すとのこと。
プロジェクトの担当者は「立体器官である毛包の再生を実用化することで、歯などほかの器官の研究へも波及させたい」と話す。
将来的には臓器再生につながるとされる、毛髪再生での手法確立を目指すとのことだ。
毛包とは、皮膚にある毛が生えてくる器官のこと。まぁ、自毛植毛手術で言うところの株のことか。
この共同研究では、患者本人の後頭部などにある正常な毛包から幹細胞をさらに抽出。
ひとつの幹細胞を100~1000倍に増やし、それを脱毛部位に移植するという。
現状の自毛植毛手術では、移植する数だけ株を採取していたが、
この技術が確立されると採取する数は極わずかでOKとなる。
多分、移植自体は現状と変わらない工程だろう。
サービスが開始された際の流れとしては、医療機関から患者の頭皮組織を預かり、
約3週間かけて加工・培養したうえで医療機関に出荷するというもの。
ただし、今回の毛髪の再生医療は保険が適用されない自由診療となるようだ。
初期段階では、毛髪の再生医療の自己負担は高額になる可能性が大である。
この件に関しては、今後とも追って行きたい。