フィナステリドを調べるため『薄毛革命』を再読

前回、大手製薬会社が発売している発毛剤に配合されている成分「ミノキシジル」に関して、
親和クリニックの音田正光が書いた『薄毛革命』から専門医の言葉を抜粋して紹介しました。
そこで今回は、医学的に認められた発毛剤のもう1種として、
内服薬のフィナステリドについて、同書から抜粋しようと思います。

内服薬のフィナステリドは、元々は前立腺肥大改善するための薬でした。

人間の体内には、Ⅱ型5αリダクターゼという酵素とテストステロンという男性ホルモンが結びつき生成されるDHT(ジヒドロテストステロン)という物質があります。
このDHTが前立腺の受容体と結合し、成長を促進して前立腺肥大や癌を招くのだそうです。フィナステリドは、このDHTの生成を阻害する働きがあるため、前立腺肥大改善するための薬として、使われていたのです。

いきなり難しい癌治療仕組みを説明され、何の話だとお思いでしょうが、実は、そのDHTという物質こそが、前立腺肥大や癌にかかわるだけでなく、AGAを引き起こす元凶だと考えられているのです。

つまり、フィナステリドは、このDHTの生成を阻害する働きがあるため、結果的にAGAが原因の脱毛を防いでくれる薬なのです。

1997年、アメリカにてAGAの治療薬として認可されたフィナステリドは、以降、世界60カ国以上で承認され、医薬品として商品化されています。日本ではプロペシアという名でしられています。
アジア人のAGAには、約90%の割合で効果があると言われているのだとか。

ただし、AGAが原因のヘアサイクルの短縮を防ぐものでしかないため、頭髪が太くなるわけではないのですが…。
また、服用している間は効果が出るのですが、中止するとまた脱毛が始まることになるようです。デメリットも、女性が飲めない(不妊の恐れあり?)、ED等があり、使用するときは医師などの専門家としっかり相談しながら、注意が必要です。

ちなみに、これらの詳細や、より新しい内服薬のザガーロについては、『薄毛革命』にて詳しく説明されています。また、紹介するかもしれませんが、すぐに見たい方は、同書を。
アマゾンを調べるとヘアケアと何故かネイルケアに分類されています(笑)

医学的知識がなくとも、分かりやすく解説されています。

というわけで、前回のミノキシジル、今回のフィナステリド双方ともに言えることは、
世界的に発毛効果を認められた医薬品であるということ。
そして、これら2つともに既存の毛砲や毛髪を元気にする効果はあるが、
失ってしまったものを取り戻すことはできないということ。この2点でしょうか。

では無くなった場合は、どうしたら良いのか。

その解消策についても、恩田先生は同書で詳しく解説してくれています。
ずばり、自毛の髪を植え替える植毛手術なのですが。

実際に受けた人間が言うのも何なのですが、私もそう思います。
失ったものを(自前で)取り戻すことができる、現状で唯一の方法なのですから。

●参考文献●
薄毛革命 「自毛主義」のすすめ
著者:医学博士 音田正光
発売:幻冬舎
ISBN978-4-344-99485-0
800円+税