『薄毛革命』で自毛植毛手術のギモンを解決~その1

以前から私が読みこんでいる書籍『薄毛革命 「自毛主義」のすすめ』の内容から、
手術前の私が疑問に思っていた点であり、自毛植毛手術を考えている段階の方も
気になるであろう点を、著者である医学博士・音田氏が簡潔に解説してくれている
部分があったので、そこを今回から解説していこうと思います。

それは、自毛植毛手術を行なう際に、毛髪が生えなくなってしまった場所に移植する
ドナーを摂取する個所、つまり、側頭部や後頭部、そしてそこにある株についてのことです。

同じひとつの頭に生えている髪の毛なのに、こんな小さな範囲でしかないのに、
前頭部から頭頂部にかけての毛髪(株)と、側頭部や後頭部の毛髪(株)では、
生物学的に絶対の違いがあるというのです。

人間の身体というのは、本当に複雑にできているんだなと実感します。

このことは、同書の第3章[科学的根拠と高い技術力が可能にした「薄毛革命」自毛植毛で自分の髪が蘇る]に明記されています。

まずは、自毛植毛手術の成り立ちから、その手法である「パンチグラフト法」について解説。
自毛植毛の名のとおり、自分の頭部にある既存の毛髪を採取し、それを気になる部位に移し替えるということです。
そして、この「パンチグラフト法」において移植株を採取するのは側頭部や後頭部などの脱毛していない毛髪です。
では、なぜ側頭部や後頭部の毛髪は脱毛していないのでしょう?
その答えは、AGAのメカニズムのなかにありました。

AGAは毛包のなかのⅡ型5αリダクターゼという酵素と、毛細血管の血中に循環するテストステロンという男性ホルモンが結びつき、
「DHT(Dihydrotestosterone=ジヒドロテストステロン)」という物質が生成されることによって起こります。

このDHTがアンドロゲン(男性ホルモン)の受容体と結合し、毛髪の成長を抑制する遺伝子や脱毛因子に作用することで、
脱毛が起こり薄毛となってしまうのです。
前頭部や頭頂部と、側頭部や後頭部の生物学的な違いは、これらアンドロゲンの受容体があるかないか、影響を受けるか受けないかということなのです。

つまり、側頭部や後頭部にある毛髪には、アンドロゲンの受容体が存在しないため、影響を受けることがないのです。
影響を受けないということは、そこはAGAとは無関係であるということ。
(もし、側頭部や後頭部の毛髪が抜け落ちてしまうのであれば、それはAGAとは違う他の要因であることの可能性が高いでしょう)

AGAにおける自毛植毛手術は、このメカニズムの違いを利用しているというわけです。

もちろん私が自毛植毛手術を受けた際にも、後頭部からドナーを採取して気になる個所に移植してもらいました。
以前、理髪店の店主と話したことの記事(2017年4月9日)でも書きましたが、信頼できる医師であれば、
採取した痕跡のことも考慮して手術を行なってくれます。少なくとも、私がお世話になった親和クリニック大阪院の医師はそうしてくれました。

話しを戻します。では、側頭部や後頭部から採取した株(毛髪)を、前頭部や頭頂部に移植すると、どのようなことが起こるのか?
それは、次回において同書より引用、解説します。

●参考文献●
薄毛革命 「自毛主義」のすすめ
著者:医学博士 音田正光
発売:幻冬舎
ISBN978-4-344-99485-0
800円+税